厚木米軍基地専用線(大和市)


調査日:2013年1月10日、公開日:2017年8月10日



全国にいくつか存在している米軍基地の専用線。
そのうちのひとつが、厚木米軍基地専用線です。

左の地図で、赤いラインが専用線です。
専用線は、相模鉄道のさがみ野駅と相模大塚駅のほぼ中間地点から分岐しています。
そこまで長い距離の専用線ではありませんが、途中で東名高速道路(緑ライン)を越えるなど、見どころもあります。

現在もかなりの遺構が残っている厚木米軍基地専用線。
相模大塚駅側からスタートします。












※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。

相模鉄道は複線ですが、さがみ野駅と相模大塚駅の間で南側に1線線路が現れます。
架線も張られており、相模鉄道の現役設備の一部だと思ってしまいますが、実は専用線の引込線なのです。
車止めがあるため、さがみ野駅側からの入線はできません。






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(この写真は、奥が相模大塚駅側です)

この踏切を通り過ぎたところで、専用線は右へと分岐していきます。
よく見ると、未だに引込線の入れ替え信号が点灯しています!
実はこの専用線、あくまでも廃線ではなく休止線のため、未だに設備が生きているのではないでしょうか。
ちなみに、入れ替え信号の下に「C1」と「セ」の2つのランプがありますが、「C1」は相模大塚駅構内、「セ」は専用線を示していると思われます。
もうこのランプが点灯することは無いと思いますが・・・。






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余談ですが、この専用線の輸送はJR相模線から相模鉄道厚木線を経由し、さがみ野駅側から行われていたと思われます。
しかし、引込線には車止めが設置されており、さがみ野駅側から直接入線することはできません。
そのため、赤ラインのようにいったん相模大塚駅構内に入線し、折り返して下り線を経由して引込線へ転線。
さらに折り返して専用線へ入線するという、非常に手間の掛かる方法で行われていたことになります。
引込線がさがみ野駅側から分岐していればこのようなことにはならなかったと思いますが、この配線には理由があるのでしょうか。





(この写真は、奥がさがみ野駅側です。)

そして、この引込線ですが、あまり延長がありません。
せいぜい機関車+貨車5両くらいが限度だと思われます。
その程度の輸送量しか無かったということなのでしょうか。



















(この写真は、奥が相模大塚駅側です。)

専用線の分岐部分です。
右へ分岐していくのが専用線、その左側が下り本線から引込線への連絡線、そして下り本線、上り本線の順です。
一番左側の線路は、この踏切の先で出てきた側線です。






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専用線が分岐して最初の踏切です。
第4種踏切ですが、簡易的な造りなので私設のものなのかもしれません。
踏切の先は一見行き止まりのようにも見えますが、実は人が通れる隙間がありますw






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(この写真は、奥がさがみ野駅側です。)

引込線を見てみます。
ちょうど下り線を8000系が通過しました。
こちらの入れ替え信号もしっかりと点灯しています。





この先の専用線の様子です。
若干草むしてはいますが、架線もしっかりと張られており、列車の運行に支障は無いような状態に見えます。

線路内立入禁止の看板が設置されているので、次の踏切まで迂回します。




















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今度の踏切は、しっかりと警報器が設置されています。
ただし、遮断機は設置されていない第3種踏切のようです。
やはり休止線のために踏切も撤去せずに残っているのでしょうか。





この先は、若干荒れているように見えます。
架線柱も、先ほどまでのコンクリート製のものから木柱へと変化しています。






















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次の踏切は、この専用線の中で一番の規模の大きさで、交通量も多いです。
未だに「踏切あり」の警戒標識が設置されていることからも、まだ廃止されていないことを物語っています。
列車が来ることは無いと分かっていても、しっかりと停車して確認しないと道路交通法違反となるので注意です。






※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。

警報灯の脇に設置されている「踏切」の文字は擦れ、「踏切注意」のプレートが一昔前の踏切を思わせます。
遮断機は設置されておらず、第3種踏切となります。





この先、専用線は左へカーブします。
そこそこ急半径のカーブですが、ほとんどカントが付いていないところを見ると、列車はかなり低速で走行していたようです。






















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次の踏切は再び敷板が設置されていない簡易的な第4種踏切です。
しかし、「でんしゃにちゅうい」の看板が設置されているので、おそらく公式の踏切なのでしょう。






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次の踏切は、警報器はありますが遮断機が無い第3種踏切です。
直前に設置されていた踏切反応灯には「5」と書かれており、おそらく5号踏切という意味だと思われます。






※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。

この踏切ですが、なぜか北側の警報器だけが撤去されていました。
これまでの踏切がすべて残っているところを見ると、踏切自体を撤去しようとしたわけでは無いようですが・・・。
事故などで警報器が破損したために撤去したというところでしょうか。





さらに気になったのが警報灯です。
この踏切の警報灯の製造年月は、なんと1998年!

実は、この専用線の最後の運行が1998年という情報があり、だとすると休止直前、ないし休止後に新たに設置されたということになります。
いったいどんな目的でこの警報灯を設置したのでしょうか。
もしくは、この警報灯を設置した時にはまだ休止する話は出ていなかったのでしょうか。

















この先は、ちょっと列車が走れそうもない状態になっていますね。

このあたりで、ちょうど専用線の中間地点となります。
長くなってきましたので、ここでページを分けたいと思います。

















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