三津坂隧道とその旧隧道(1ページ目)



調査日:2008年3月23日



三津坂隧道は、静岡県沼津市と同県伊豆の国市のほぼ境に存在するトンネルです。

現在通行に使用されている昭和時代に建設された隧道の他に、明治時代に建設された旧隧道が通っています。
少々荒れてはいるものの現在も貫通しており、井上靖の「しろばんば」や太宰治の「斜陽」にも登場したという歴史ある隧道を調査しました。

現隧道との位置関係は左の地図のようになっています。
緑ラインが現道の静岡県道130号線、赤ラインが旧道になっています。県道130号線は交通量が多く、路線バスも通っています。
このように、現道の「三津坂隧道」と旧道の「旧三津坂隧道」はかなり至近距離にあり、比較的訪れやすいです。

このレポートでは、現在使用されている昭和隧道から紹介していきます。
地図の左側からスタートします。

地図は国土地理院の電子地形図を使用






写真は沼津市内浦から伊豆長岡側を向いて撮影しています。
この先、特に表記が無い限り、県道130号線の写真は伊豆長岡側を向いて撮影したものです。

県道130号線は前方に見える山を越えるため、ここから徐々に高度を上げていきます。






途中1ヶ所のヘアピンカーブを描きながら、県道130号線は高度を稼ぎました。
すると、トンネル予告の看板が現れるようになります。






そして、まもなく現道と旧道の分岐点が現れます。
言うまでもなく、直進する2車線の道が現道、右へ分かれる細い道が旧道です。

そして、現道にはすでに隧道が見えていますね。







こちらが現在使用されている「三津坂隧道」です。なかなか立派な坑口となっています。
隧道内は若干道幅が狭くなっており、隧道手前で中央線が途切れてしまっています。路側帯もありません。


扁額です。国鉄フォントにも似た独特なフォントで書かれていますね。
昭和36年2月竣功と現役ながらも歴史の深い隧道です。延長267m、幅5,5m、高さ4,5mとなっています。


伊豆長岡側坑口です。隧道へ続いて徐々に高く積み上げられている石垣が美しいですね。

隧道内での大型車のすれ違いができないため、片方が隧道手前で待たなければならず、この写真のように渋滞が日常的に発生します。
現役で活躍している隧道とはいえ、やはり昭和時代の隧道。平成の交通量に対応できなくなっているのです。





※この写真は、伊豆長岡側から内浦側を向いて撮影したものです。

隧道を抜けると今度は下り坂となりますが、その途中に旧道への分岐があります。
かなり変則的な分岐なので、内浦側から来ると見逃してしまいそうですね。


それでは、ここから旧道へ入っていきましょう。
以後、しばらく伊豆長岡側から内浦側へ戻る形になります、ご注意ください。








次のページでは、いよいよ旧道と明治時代に作られた旧隧道を紹介します!



次のページへ

戻る



inserted by FC2 system