ポケスペ小説「アホかと思った4月馬鹿」
ポケスペ小説「アホかと思った4月馬鹿」 公開期間2008年3月10日〜4月9日



今日もレッドはいつも通りに過ごしていた。今日が何日かまったく気にしない彼に、災難はやってきたのであったw

ピンポーン・・・最近、毎日のように鳴る呼び鈴。今日もアイツが来たのか、といつものように玄関へ向かうレッド。
しかし、今日だけはこの呼び鈴こそが、災難の始まりだったのであった・・・・・・

レッドがドアを開けると、そこにはやはり彼女がいた。

「よお、イエロー。今日も来たのか?」
「こんにちは、レッドさん・・・。」

イエローと付き合うようになってから、彼女はほぼ毎日レッドの家に来るようになっていた。もちろんレッドにとってはこの上なく幸せなことである。
いつも笑顔で来てくれる彼女だが、今日はその笑顔に曇りがあるように見えたのは、気のせいだろうか・・・。
とりあえず、いつも通りリビングに案内するレッド。イエローがソファーに座るのを確認し、紅茶を出すレッド。

いつもなら真っ先に話をしてくるイエローであるが、今日は紅茶の入ったカップを見つめたまま何も話さない。何かあるのだろうか。
心配になったレッドが「イエロー?」と尋ねようと口を開こうとしたところで、イエローがゆっくりと口を開いた。

「今日は・・・話したい事があります・・・。」

そう言うイエローの表情は、今までに見たことの無い真剣な・・・そして悲しそうな顔をしていた。レッドの表情も自然とこわばる。

しばらくの沈黙・・・・・・何度も口に出そうとしているのか、イエローの口がかすかに動いているのが分かる。
だが、なかなか言い出せない様子のイエローを見たレッドは、イエローに駆け寄った。

「大丈夫か、イエロー。落ち着いて・・・。」

レッドはイエローを抱き、優しく頭を撫でる。

「レッド・・・さん・・・。」

イエローは落ち着いたのか、口を開いた。そして・・・



「あの・・・ボ、ボク・・・できちゃったんです・・・。」



予想もしていなかった言葉を聴いたレッドは、一瞬にして固まった。

「お・・・おい・・・。できたって・・・まさか・・・・・・。」

これが、レッドが辛うじて発することができた言葉だった。
イエローはずっとコーヒーカップを見つめているため顔が見えず、さらにレッドを不安にさせる。

「その・・・、あ・・・赤ちゃんが・・・。」

震えた声でイエローが言う。その言葉に、レッドは動揺を隠せなかった。どうすればいいのか、まったく分からなくなった。




「ごめん・・・。」

レッドはイエローの前で土下座していた。床に頭をつけ、何度も何度も「ごめん」とつぶやくレッド。そうすることしかできなかった。
すかさずイエローがレッドの横に座る。

「レッドさん、やめて下さい。」
「だって、オレのせいでイエローは・・・。」
「ボク、本当は嬉しいんですよ。レッドさんとの子供ができて・・・。だから、もうやめて下さい。」

なんて優しいんだろう、彼女は・・・。こんな時でも笑顔でオレの顔を見てくれている。それに対して、オレは・・・。
レッドはイエローの優しさを改めて感じた半面、自分の未熟さが悔しかった。レッドはそのままイエローを抱き、「ありがとう。」と何回も繰り返し言った。




「お楽しみのところ悪いんだけど・・・。」

不意に、背後から女の声が聴こえた。聞き覚えのある声に、レッドは慌てて後ろを振り返る。

「おひさ〜♪ まったく、お熱いわね、お二人さん!」

そこにいたのは・・・ブルーだった。瞬速でイエローから離れるレッドであるが、すでに時遅しである。

「お・・・お前、どうして居るんだよ!」
「あ〜、やっぱり気付いてなかったのねww」

と笑うブルー。「何が?」と顔を赤くして言うレッド。ブルーは続けて言う。

「イエロー、教えてあげなさい。」
「はい。レッドさん、今日は4月1日です。何の日でしょう。」

「ん〜・・・。」とその場で考え込むレッド。そして、ひらめいたように言う。

「エイプリルフール!」
「正解〜!」
「って事は・・・もしかしてイエローができたって言うのは・・・。」
「ウソですよw」

笑顔でそう答えるイエロー。レッドは身体中から力が抜けた。

「しかし、本当にイエローは演技がうまいわね。アタシ見てて感心しちゃったわ。」
「そうですか? ありがとうございます。」
「お前ら・・・。ってかブルー、『見てて感心しちゃった』って事はもしかして・・・。」
「最初からずっと見てたわよw」
「やっぱり・・・(orz」

最初からずっとブルーに見られていたとは・・・。レッドは恥ずかしくてたまらなくなった。
その一方で、ブルーとイエローがグルになっていたとは・・・なんだかバカバカしくなってきた。

「あ〜あ、もしイエローが本当に妊娠してたら、結婚できたのになぁ。」
「何言ってるのよ、あんなにダメージ受けてたくせにw」
「そうですよw」
「うるさいなぁ。そういえばイエロー、さっき、オレとの子供ができて嬉しい・・・みたいなこと言ってなかった?」
「あれはブルーさんに言えって言われて・・・。」
「アタシそんな事言ってないわよ♪w」
「あ〜、ブルーさん!(怒 とぼけないで下さい!」

何はともあれ、レッドにとってはとんでもなく災難な1日であった事には違いないw



最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございました。
昨年はイエローの誕生日小説を書いてしまったので、今年は1ヶ月ほどずれたエイプリルフール小説にしてみました。
それでも、イエローの誕生日を意識して、レイエ小説にしてみました。なので、今回は登場人物を絞ってみたんですが・・・。
ここまで登場人物が少ないのは初めてかもしれません。しかも、ブルーは最後にしか出てこないので、実質レイエだけですねw
個人的感想ですが、今回はなかなかの出来だと思います。ただ、ちょっとエロい方面へいってしまったのは反省せねば・・・。
いよいよネタが無くなってきました・・・。

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《制作予定》
すみませんネタが尽きました(orz

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