たけのこ岩トンネルとその旧道


調査日:2009年2月15日


静岡県の静岡市と焼津市を結んでいる静岡県道416号線。
数年前までは国道だったということもあり、今なお交通量は多いです。

この県道416号線、用宗から焼津にかけては「大崩」と呼ばれている厳しい地形の場所を通っています。
この場所は落石などが多発しており、昔から道路の付け替えが行われてきました。
今回紹介する場所も、そのうちのひとつです。


グリーンのラインが現道である静岡県道416号線、赤のラインがその旧道です。
非常に距離の短いトンネル・旧道ということになります。



このレポートでは、焼津側から静岡側へ向かってレポートをします。


地図は国土地理院の電子地形図を使用






静岡県道416号線は、焼津から用宗まで2車線分の幅が続きます。
焼津側から来ると、たけのこ岩トンネルの手前に短い洞門があり、たけのこ岩トンネルの坑口を見ることはできません。

そして、洞門まで続いている道路脇の欄干を見ると、洞門手前で右にカーブして続いていることが分かります。
これこそが旧道なのです。


まずは、たけのこ岩トンネルを見てみましょう。






たけのこ岩トンネルの焼津側坑口です。トンネル内は、車道2車線に狭いながら両側に歩道があります。




扁額です。焼津側の扁額は洞門に設置されています。
たけのこ岩トンネルは、1991年竣功、全長105mです。





トンネルは静岡側坑口で右へカーブしています。
トンネルを出るとすぐに交差点があるため、トンネル天井に注意を促す標識が設置されています。


それでは、焼津側の旧道を紹介します。






現道の洞門と欄干のわずかな隙間には、高いフェンスが設置されており、旧道へ入ることはできません。
路面は植物で覆われており、あまり状態は良くないようです。奥に掘割が見えますね。



続いては、静岡側です。
たけのこ岩トンネルの手前、ガードレールに仕切られている場所で、左側に旧道が分岐しているのが分かります。






たけのこ岩トンネル静岡側の坑口です。こちらは直接坑口が見えますが、海に近いためか本来白いはずの外壁が汚れてしまっています。




たけのこ岩トンネルの左側からは、旧道が分岐しています。
こちら側は簡単に旧道に入ることができます。

ただ、数十メートル行った所にバリケードが設置されており、その先に立ち入ることはできません。





バリケードの隙間から旧道を撮影してみました。警戒標識が設置されたままになっています。
この旧道区間、1989年に土砂崩れが発生し道路が崩落、その代わりとしてこのたけのこ岩トンネルが掘られて生まれたものです。
つまり、この旧道は意図せずに生まれてしまったのです。

ただしこの旧道区間、線形が悪く、年に何度か自動車が海へ転落する事故が起こっていたそうです。
意図していなかったとしても、たけのこ岩トンネルが掘られたことで安全が確保されたのです。






大崩海岸という恐ろしい地名の場所にある旧道区間。
このたけのこ岩トンネルの旧道も、土砂崩れによって崩落してしまいました。
今も大崩海岸は、崩落が絶えないのです。


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