調査日:2012年12月16日、公開日:2019年3月10日


岳南電車 岳南江尾駅側線
(富士市)



岳南電車は、静岡県の吉原駅〜岳南江尾駅間9,2kmを運行している小さな鉄道です。
沿線には工場が多く、かつては貨物列車も運行されていましたが、2012(平成24)年を最後に廃止となっています。
そのため、岳南電車の沿線には、いくつか専用線の廃線跡が見られます。
今回はそのうちのひとつ、岳南江尾駅にある側線跡を紹介します。

岳南江尾駅には、かつて三島化工という工場までの専用線がありました。
左の地図を見ても分かるように、この専用線は数百メートル程度の短いもので、そのほとんどが岳南江尾駅構内となっています。
なお、中央を左右に通っているのは、東海道新幹線です。

このレポートでは、基本的に岳南江尾駅から吉原方面へ向かっていきます。


地図は国土地理院の電子地形図を使用






岳南電車の終点である岳南江尾駅。
江尾は「えのお」と読み、やや難読です。

駅舎は残っていますが、現在は無人駅となっており、発券機などもありません。
周辺は住宅地になっていますが、岳南江尾駅を利用する人の姿はありません。
終点にしてはあまりに寂しい駅です・・・。






※この写真は、構内踏切上から撮影しています。
岳南江尾駅の構内です。
専用線が現役だった頃はたくさんの貨車が停車していたと思われますが、今では島式ホームとその両側の線路しか使用されていません。
そのうちの1線は、日中は留置車両が使用しており、実質使用しているのは片面のみとなっています。

そして、右側にある錆びた線路が、専用線として使用されていたものです。






ほぼ同じ場所から反対側を振り返ると、少し先で線路は途切れています。
しかし、左側にある専用線の線路は途切れる直前にポイントレールがある、不自然な配置です。

現在は、線路のすぐ先に住宅がありますが、専用線が現役だった頃は、さらに先まで線路が延びており、貨車の入れ替えなどが行われていたようです。






それでは、専用線跡を辿っていきます。
専用線は2線残っており、片方は途中線路が撤去されている部分はあるものの、比較的状態は良いようです。
一方、右側の線路は半分アスファルトに埋められており、かなり状態が悪いです。

また、左側の線路は、現在は架線は張られていないものの、架線柱の設置状況から見て、現役時代は架線が張られていたと思われます。






専用線は、本線に並走するように続きます。
なお、この場所ですが、隣接する工場の私有地のような雰囲気がありますが、特に立入禁止などの掲示がないため、そのまま探索しています。






本線の出発信号機が見え、まもなく岳南江尾駅の構内を出るというところで、右側の線路が砂利の中に消えていきました。
そして、この線路は二度と現れることはありませんでした。







※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。

ここで、専用線は踏切を渡ります。
警報器、遮断機の無い第4種踏切です。
専用線は、ここで一旦途切れます。





※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。

踏切の先で専用線は復活しますが、植物に覆われており見にくいです。
この踏切を境に、専用線は本線から別れ、右へカーブします。





東海道新幹線の高架を潜ろうというところで、線路が明瞭に見えるようになりました。
専用線は、すぐに道路を横断します。






しかし、道路の直前でレールは途切れ、踏切だった痕跡は残っていないように見えます。
そして、道路を渡った先で専用線は三島化工に入っていました。
現在も、同じ位置に工場がありますが、これは当時のものではなく、この先も専用線の痕跡はなさそうです。







※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。

踏切跡です。
痕跡は残っていないと思っていましたが、○印のところをよく見ると・・・。




踏切の柵の一部だったのではないかと思われる遺構が残っていました。

正確な廃止の時期は分かっていませんが、1984(昭和59)年2月に岳南江尾駅での貨物の取り扱いを廃止した記録があるため、その頃までには使用を終えていたと思われます。
少なくとも廃止から30年以上が経過していますが、未だに線路が残っており、また距離も短いこともあって気軽に探索できます。
岳南電車に乗車する機会があれば、訪れてみてはいかがでしょうか。



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