調査日:2012年11月21日


行幸橋
(沼津市)




静岡県沼津市の南側、徳倉山の近くに「行幸橋」という橋があります。
小さな橋ですが、大変に歴史のある橋だったので取材しました。

行幸橋は、左の地図の赤線で示した場所(中央部分やや上)にあります。
なお、オレンジ色のラインは国道414号線で、上側が沼津駅方面、下側が伊豆方面となっています。
近くには御用邸記念公園がありますが、実は行幸橋と関わりがあったりします。


地図は国土地理院の電子地形図を使用







自動車なら気づかずに素通りしてしまいそうなほどの短さの行幸橋。
センターラインこそ引いてありませんが、普通車であれば十分すれ違いができる幅があり、交通量も多いです。




  
欄干は、等間隔に穴が開けられており、シンプルながらもデザイン性を感じるものとなっています。
また、若干中央部分が盛り上がっている"かまぼこ型"となっているようです。

なお、欄干の高さが低く安全面に問題があるためか、欄干の裏側には金具で真新しい柵が固定されています。
もとの欄干を残したまま柵を設置したのには評価できますが、やはし少し目障りに感じてしまいますね・・・。




親柱は、若干損傷はしているものの、4本とも現存しています。
橋の長さと比較すると少し不釣り合いとも思える立派な親柱です。






4本ある親柱のうち、1本には「行幸橋」という橋の名前が書かれています。

そして、残る3本の親柱のうち2本には竣功年月が書かれているのですが・・・







風化が進んでおり見にくいものの、昭和四年五月竣功の文字が!
今まで調査してきた橋の中でも、相当古い部類に入ります。





そして、残る1本の親柱ですが、残念ながらまったく文字が読めなくなってしまっています。

竣功年月が書かれた親柱が2本であることを考えると、橋名が書かれていたと思われます。
もしかすると、かな表記だったのかもしれません。

実は、"行幸"は「ぎょうこう」のほかに「みゆき」という読み方もあるようなので、かな表記を見つけないと行幸橋の正しい読み方が分からないのですが・・・。






"行幸"という言葉には、「天皇が外出する」という意味があります。
行幸橋の近くに御用邸(記念公園)があることからも、おそらく、天皇が御用邸を訪れる際にこの橋を渡ったのでしょう。
小さいながらも、重要な役目を担っていたに間違いありません。


架かってから80年以上が経った現代でも、多くの交通を支え続けている行幸橋。
これからも、末永く活躍してほしいものです。





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