ひだまりスケッチ小説 「12月31日 賑やかな大晦日」





なんか周りが騒がしいなぁ。
それに、さっきから名前を呼ばれているような・・・。

でもまだ眠いし、もう少し寝てようかな。



「ゆのっちってば!」

「うわぁ!」


宮ちゃんの声で一気に現実世界へ引き戻された私。
目を擦りながら部屋を見渡すと、宮ちゃんだけじゃなくて紗英さんやヒロさんもいる。

あれ、どうしてみんなここにいるんだろう。


「ゆの、起きた? もう年明けるよ。」


そうだった。今日は12月31日。
みんなで一緒に年越しをしようって話になって、私の部屋に集合したんだっけ。

いつの間に寝ちゃったんだろ、私。


「あ・・・あの、今何時ですか?」

一番気になったことを訊いてみる。
どのくらい寝ていたのか自分でも分からないから、とにかく今の時間を知りたかった。


「11時55分だけど。」

テレビを指差しながら言う紗英さん。
テレビの画面を見ると、確かに左上に「11:55」の表示が出ていた。


「11じ・・・55ふん・・・?」

冴えない寝起きの頭で必死に考える。
11時55分は12時の5分前だから、つまり・・・


「え! あと5分で年明けですか!?」
「そうよ〜。ゆのさんったら何度呼びかけても起きてくれないんだもん。」
「ゆのっちすごく気持ちよさそうに寝てたよ〜。」
「そのまま寝かせてあげようかと思ったんだけど、寝たまま年越しはさすがに可哀想だし・・・。」


笑いながら言ってくる3人。
でも、今の私はそれどころじゃなかった。

「大変だっ!」




私はキッチンへ駆け出し・・・



ドタッ!



て転んだ。




「ゆのっち大丈夫?」

宮ちゃんが差し出してくれた手に掴まって立ち上がる私。
うぅ・・・恥ずかしい。



「そんなに急いでどうしたのさ。」
「年が明けたらみんなで食べようと思って準備していたものが・・・。」


せっかくみんなが部屋に来る前から準備してたのに、今からじゃ間に合わないよ・・・。
こんな大事な日に寝ちゃうなんて、自分のバカ。



「今はそんなのいいからさ、みんなで年越ししようよ!」

宮ちゃんが自己嫌悪に陥っていた私の手を握って引いていく。
その手は暖かくて、私の沈んだ気持ちを癒すのに充分だった。


「ゆの、ここ空いてるから座りな。」
「もう時間無いわよ。」

紗英さん、ヒロさんに促されるまま、テレビの前に座る私。
テレビを見ると、すでに新年へのカウントダウンが始まっていた。


「いよいよだね。」
「この1年もいろいろあったわね。」

口々に言うみんな。



「最後はゆのっちの盛大なコケでシメだったね!」

宮ちゃんの発言に、他の2人が笑いだす。


「もう、宮ちゃんってば!」

私はただただ顔を真っ赤にして叫ぶしかなかった。
今年も最後まで宮ちゃんに振り回されっぱなしだ・・・。


そうこうしているうちに、カウントダウンは残り10秒になろうとしていた。


「よし、みんなでカウントダウンしよう!」

という、宮ちゃんの提案に、全員が声を合わせる。


『じゅう、きゅう、はち、なな、ろく、ご、よん、さん、に、いち』

『ゼロ!!』




「あけましておめでとう!」
「今年もよろしくね。」
「みなさんと新年を迎えられて嬉しいです。」
「今年も1年平和に過ごせますように〜。」


私もみんなも、思い思いのことを口にする。
こんなに賑やかな年越しは、もしかしたら初めてかもしれない。



「ところでゆのっち〜。」
「何?」

年明け祝いの言葉もほどほどに、宮ちゃんが話しかけてきた。


「年が明けたらみんなで食べようと思っていたものって? 早く食べた〜い。」

さすが宮ちゃん、食べ物の話題には鋭い。
私はキッチンのほうへ目をやる。結局年明けには間に合わなかった・・・。


「年越しそば作ってたの。本当は年明けてすぐに食べれるように準備したかったんだけど・・・。」

もしかしたら、みんなガッカリするかな・・・。
そんな思いが頭の中を駆け巡って、つい小声になってしまった。



「それでさっきあんなに慌ててたんだ。」

納得した様子で微笑む紗英さん。


「どこまでできてるの? 私も手伝うわよ。」

そう言って一足先にキッチンへと向かうヒロさん。


「わーい。そばだ〜。」

早くもどこからかどんぶりを取りだしてはしゃぎだす宮ちゃん。



ガッカリするどころか、逆に嬉しそうな表情を見せるみんな。
そんな表情を見て、私の中にあった不安は一気に吹き飛んだ。


ひだまり荘に来て、本当に良かった。
今年の大晦日も、こうしてみんなで賑やかに新年を迎えられるといいな。



そう思いながら、私は年越しそばの準備をすべく、キッチンへ向かった。




最後まで小説をお読みいただき、ありがとうございました。

初めての「ひだまりスケッチ」小説でしたが、いかがでしたでしょうか?
時期的には、ゆのがひだまり荘に来て最初の年越し(高校1年)をイメージして制作しました。
なので、乃莉となずなは登場していません。というか、あまり多くのキャラを出すとまとまりがなくなるので、登場させませんでしたw

とはいえ、この小説もすでにまとまりがなくなっていますね(orz
本当はまったりのほほんと年越しを迎える話になるはずだったのですが、どこで間違えたのやら・・・。

とにかく、これからも「ひだまりスケッチ」の小説を書いていきたいと思います。


ご意見・ご感想をお待ちしております。



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