ひだまりスケッチ小説 「2月7日 真冬の朝に」





「乃莉ちゃん・・・。」

私は今、玄関先でなずなに抱きつかれている。
何がどうなって、こんなシチュエーションになったのだろうか・・・。


――


「日本各地で大雪ねぇ・・・。」

今日は日曜日。
学校の宿題も土曜日に終わらせていた私は、朝食を終えるなりパソコンでインターネットを楽しんでいた。

― ピンポーン ―

ふと、呼び鈴が鳴ったので私は玄関へ向かった。
まだ朝の9時過ぎだし、きっと"ひだまり荘"の誰かだろうとは思っていたけど。

「はいはい、今出ますよっと。」

そう言いながら私がドアを開けると、直後、体に何かがぶつかってきた。
何かと思って視線を少し下げると、なずなが私に抱きついていたのだった。


――


なずなは、時折私の名前を呼ぶものの、私に顔も見せずにずっと抱きついたままだ。
最初こそ驚いた私だったが、だいぶ落ち着きを取り戻し、なずなの背中に両手を回していた。

どのくらいの時間が経っただろうか。
なずながゆっくりと顔を上げた。

「いきなりごめんね、乃莉ちゃん。」

そう言うなずなの目は少し腫れていて、さっきまで泣いていたようだった。

「なずな、一体どうしたの?」

今までのなずなの行動や腫れた目を見て、私がそう声を掛けるのは当然のことだったと思う。
なずなは、少し言うのを躊躇していたようだったが、やがて口を開いた。

「夢を見たの。ひだまり荘から、私以外の人がいなくなっちゃう夢・・・。それで、不安になって・・・。」

何ともなずならしい理由だ。でも、だとしたら疑問が残る。

「どうして私の部屋に来たの? 宮子先輩やゆの先輩の部屋ほうが近いんじゃ・・・。」

なずなの部屋は2階で、私の部屋は1階。
どうして、同じ階の宮子先輩やゆの先輩の部屋ではなく、階の違う私の部屋にきたのだろうか。

「言われてみれば、どうしてだろう・・・。」

首をかしげながらそう言うなずな。質問を質問で返さないでほしい・・・。
こういうところもなずならしいけど。

「でも、乃莉ちゃんの匂い、とても落ち着くの。」
「えっ、匂い!?」

なずなの不意な言葉に、思わず大きな声が出てしまった。
いつもなずなは予想外の言動をすることがあるけど、今回は予想外の予想外だった。
さらに、なずなは言葉を続ける。

「うん、すごく安心する匂い。だから、乃莉ちゃんの部屋に来たのかも・・・。」

今まで自分の匂いなんて全然気にしていなかったから、急に恥ずかしくなってしまった。
顔が赤くなってなければいいけど・・・。

「乃莉ちゃん、もう少しだけこのままでいさせて。」

そんな私の気も知らず、なずなは一向に私から離れようとせず、むしろ、さらに強く抱きついてきた。


なずなとの距離が近づいた瞬間、ふと、甘くてやわらかい香りが私の鼻孔をくすぐった。



最後まで小説をお読みいただき、ありがとうございました。

2作目となった今回の「ひだまりスケッチ」小説では、1作目では登場しなかった乃莉となずなにスポットを当ててみました。
また、1作目は百合要素が少なかったので、今回は対照的に百合っぽい内容にしてみました。
しかし、終わり方に迷ってしまい、なんとも中途半端な感じになってしまいました・・・(orz
それでも、「ひだまりスケッチ」特有のゆったりとした雰囲気は崩さずに伝えられたと思います。

アニメでは4期まで放送された「ひだまりスケッチ」ですが、私は4期を見て"乃莉×なずな"にハマってしまいましたw
なので、この2人の小説を書くことができて満足しています。

とにかく、これからも「ひだまりスケッチ」の小説を書いていきたいと思います。


ご意見・ご感想をお待ちしております。


【制作予定】
未定



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