ひだまりスケッチ小説 「1月18日 新たな日常の始まりの予感」





それは、あまりにも唐突で・・・。
最初は夢でも見ているんじゃないかと思った。


「私、乃莉ちゃんのこと、好きかもしれない。」


明日は月曜。
私となずなは、週末に出された学校の課題を片付けるため、私の部屋で一緒にノートを広げていた。
つい数秒前まで、2人で教え合いながら学校の課題をしていたはずなのに・・・。

「それって、どういう意味の"好き"?」

私は、あくまで冷静を装って訊いた。
好きにはいくつか意味がある。ただの私の早とちりかもしれないし・・・。

「・・・たぶん、恋のほうの好きだと思う。」

小さくか細い、なずなの声が私の耳に届く。
今までの人生の中で初めて受けた告白に、私は混乱してしまった。

「乃莉ちゃんを見てると、胸がすごくドキドキして、顔が熱くなって・・・。」

なずなの一言一言が、私の頭の中で響き渡る。
自分の心臓の鼓動が速くなっていくのを感じる。

「乃莉ちゃんと手を繋いだりすると、もっと触れていたいって思っちゃうの。」

私の指の隙間から、シャープペンが転がり落ちる。
しかし、動揺している私は、それを拾うことができない。

「こんな気持ち、初めてでよく分からないけど、乃莉ちゃんに伝えなきゃいけない気がして・・・。」

そこで、なずなの告白は止まった。

「なずな、私たち、女同士だよ?」

無意識のうちに私が発した言葉は、しかし至極当然なもので・・・。
本来、恋愛は異なる性別同士がするもの。
これが男子からの告白なら、ここまで動揺はしていなかったと思う。

「そうだよね。やっぱり、おかしいのかな・・・?」

震える声で、呟くなずな。

世界には、同性同士で付き合っている人がいることを私は知ってるし、同性婚が認められている国があることも知ってる。
だから、別におかしいことではないと思う。
だけど、それは一部の人たちだけのことで、私には縁の無い話だと思っていたけど・・・。

「ゴメンね、いきなり変なこと言って・・・。」

無言のままの私を不安に思ったようで、一方的に謝ってくるなずな。
私は、慌てて否定する。

「いきなりでちょっと驚いただけだから! ちょっと気持ちを整理させて。」

私だってなずなのことは好きだ。
好きでなきゃ、今みたいに2人でこうして集まったりしない。
でも、この"好き"は"どういう好き"なんだろう・・・。

もし、なずなと恋人になったら、2人でデートしたり、一緒にお泊りしたり・・・、キスとかもするのかな。
想像してみても、まったく違和感を感じない。
というか、2人で出掛けることなんて毎日のようにしてるし、お泊りだって何度もしてる。
キス・・・は、さすがに無いけど、なずなとなら全然しても良いと思う。

むしろ、なずなが私以外の人と一緒にいることのほうが、想像できない。
私以外の人とキスするなんて、想像したくもない。

・・・あれ?
どうして今、なずなを他の人に取られたくないと思ってしまったんだろう。
これじゃまるで、嫉妬してるみたいで・・・。

あぁ、そうか。


「・・・なんだ、答えは簡単じゃないか。」
「え?」

思わず声に出してしまった私を、覗き込むように見つめるなずな。
その顔を見た瞬間、私は決心した。
床に落ちたままになっていたシャープペンを拾いながら、気持ちを落ち着かせる。


「なずな、私もなずなのこと ― 」



最後まで小説をお読みいただき、ありがとうございました。

3作目の「ひだまりスケッチ」小説は、2作目に引き続いて乃莉となずなを主役(・・・というかこの2人しか出てきていない)にしてみました。
ひだまりスケッチのキャラクターはみんな好きですが、中でもこの2人の組み合わせはいつ見ても癒されます。
普段は内気ななずなですが、自己主張はしっかりする子なので、告白は案外すんなり言っちゃいそうな気がします。
乃莉は、普段ズバズバ物事を言う分、肝心な時に照れてヘタレになってしまったり・・・。
今回の小説は、そんなことを想像しながら書いてみました。

タイトルは完全に適当ですw
小説が日曜日の設定なので、日曜日である1月18日を選んだだけで、深い意味はまったくありませんw


ご意見・ご感想をお待ちしております。


【制作予定】
引き続き乃莉×なずなで作っていきたいです。



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