ひだまりスケッチ小説 「11月22日 嫉妬深い女子高生?」






校舎内に響き渡る声が、次第に賑やかになっていく。
窓からは朝日が差し込み、今日も1日が始まろうとしている。

今日の天気は快晴。
透き通るような青空だというのに、私の気持ちは沈みきっていた。

「じゃあね、なずな。」

昇降口で靴を脱ぐなり、そう言ってすぐに私に背を向けてしまう乃莉ちゃん。
私は、乃莉ちゃんとほとんど会話できずにいた。



乃莉ちゃんとは、1ヶ月ほど前から付き合っている。
お互いに"好き"と言い合う仲になって、以前よりも近い関係になった。
でも、だからといって特別変わったことはなくて、今までと同じように過ごしていた。

それが、1週間くらい前から、少しずつ私に対する態度が変わってきた。

それまで、登校する時はいつも手を繋いでいたのに、ぱったりと繋がなくなった。
毎日のように私の家に遊びに来ていた乃莉ちゃんが、突然来なくなった。
そして、日常の会話すらも、少しずつ減っていった。

いくら鈍感な私でも、さすがに分かる。
乃莉ちゃんは、きっと私に怒っているんだ。
知らず知らずのうちに、私が乃莉ちゃんを怒らせてしまったんだ。

せっかく乃莉ちゃんと恋人になれたのに、やっと想いが通じ合ったのに・・・。
こんな状態が続くなんて、嫌だ。

だから、私はとにかく乃莉ちゃんと話をしようと思った。

放課後、私は家に帰るなり、すぐに乃莉ちゃんの部屋へ向かった。
ドアをノックすると、少し間をおいて、カギの開く音がした。
続いて、ゆっくりとドアが開いていく。

「なずな・・・。」

そこには、今朝方ぶりの乃莉ちゃんの顔。
乃莉ちゃんは、一瞬私と目を合わせたけど、すぐに視線を逸らしてしまった。

「乃莉ちゃん、ちょっと話したいことがあるの。中に入ってもいい?」
「うん。」

乃莉ちゃんは、小さく返事をした。
追い返されなくて良かったと思う一方、相変わらず乃莉ちゃんは顔を見せてくれなくて、いやいや部屋に入れてくれているんじゃないかと思ってしまう。

キッチンの脇を通り過ぎ、リビングに置かれたクッションに座る私。
たった数日来ていないだけなのに、なんだかすごく懐かしく感じた。

「それで、話したいことって?」

私の向かい側に置いてあったクッションに座った乃莉ちゃんが、私に訊いてきた。

「乃莉ちゃん、ごめんね。」

いろいろ言葉を考えたけど、私はまず謝ることにした。

「乃莉ちゃん、最近私のこと避けてるよね。」

その言葉に、乃莉ちゃんが一瞬反応したように見えた。
私は、そのまま続ける。

「私、鈍感だから、気づかないうちに乃莉ちゃんに嫌なことしちゃってたんだよね?」

それまで私と視線を合わそうとしなかった乃莉ちゃんが、急に私のほうを見てきた。
やっぱり、乃莉ちゃんに嫌なことしちゃってたんだ・・・。

「これからは気をつけるから、私のこと嫌いに ―― 」
「違う、違うよなずな・・・。」

突然、私の言葉を遮る乃莉ちゃん。

「なずなは何も悪くない。悪いのは全部私なんだよ・・・。」
「どういうこと?」

その乃莉ちゃんの言葉はあまりにも予想外で、思わず訊き返してしまった。

「私、なずなが他の人と話してるのを見て、嫉妬しちゃってたんだ。」

嫉妬。
テレビや本なんかでよく出てくるけど、普段あまり聴かない単語が乃莉ちゃんの口から出てきた。

「それで、1人で勝手にモヤモヤして、なずなに八つ当たりしちゃってた・・・。」

「なずながそんなに思い詰めてたなんて、全然気づかなかった。」

「ごめん、なずな・・・。」

震える声で私に謝る乃莉ちゃん。

「よかった、嫌われたわけじゃなくて・・・。」
「なずなのことを嫌いになるなんてありえないから!」

それまでの緊張が解れ、思ったことをそのまま口に出してしまった私に乃莉ちゃんが掛けてくれた言葉は、最高のもので・・・。

「ありがとう。こらからもよろしくね、乃莉ちゃん。」

だから私も、めいいっぱいの想いを乃莉ちゃんに伝えた。

ところで・・・

「乃莉ちゃん、私にやきもち焼いてくれたんだ。かわいいっ!」
「ぐぬぬ・・・。さっきまで泣きそうな顔してたくせに・・・。」

私に寂しい思いをさせたんだから、このくらいはからかっても良いよね?



最後まで小説をお読みいただき、ありがとうございました。
4作目のひだまりスケッチ小説でしたが、いかがでしたでしょうか?

個人的に、乃莉は嫉妬深いのではないかと勝手に決め付けていまして、そこから思いついたのが今回の小説ですw
一方、なずなは見るからに天然系なので、たまにこうやってすれ違いが起こってしまうのではないかと思います。
それでも、どちらからともなく謝って、すぐに仲直りする・・・そんな関係なのではないでしょうか。

ちなみに、タイトルの11月22日に深い意味は無く、単に「良い夫婦」の日だからですw

最近、ひだまりスケッチの小説に乃莉となずなしか出てきませんが、この2人が好きすぎてしょうがないんです・・・。ごめんなさい。
これからも「ひだまりスケッチ」の小説を書いていきたいと思います。


ご意見・ご感想をお待ちしております。


【制作予定】
未定




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