ひだまりスケッチ小説 「6月16日 ゴメンという言葉」






「なずな。それ、やめない?」
「ゴメン乃莉ちゃん、何のこと?」
「今の、そのゴメンって言うの。なずな、ゴメンって言葉使い過ぎだと思う。」

それは、乃莉ちゃんに言われるまで気にも留めなかったこと。
けれど、言われてみれば確かにその言葉をよく口にしているかもしれない。

私は鈍感で何をするのも遅くて、昔からいつも周りの人に迷惑ばかり掛けていた。
だから、謝ってばかりだった。

「謝ることも確かに大事だけどさ。あまり謝られると、こっちが悪いみたいな気がして・・・。」

バツの悪そうな顔をして私に話す乃莉ちゃん。
私、乃莉ちゃんに気を遣わせてしまっていたのかな。

「もちろん、そういうところも含めて私はなずなが好きだよ。それだけは勘違いしないで。」

無意識のうちに私は不安そうな表情をしてしまったようで、慌ててそう付け足す乃莉ちゃん。
乃莉ちゃんは、本当に私のことをよく見てくれる。

「逆に、私はもっとなずなに謝らなきゃいけないのかも。いつも迷惑ばっか掛けちゃってるし・・・。」
「そんなことない。私、乃莉ちゃんのこと全然迷惑だなんて思ってないよ。」
「なずななら、そう言ってくれると思った。私も同じだよ、なずな。」

私には、乃莉ちゃんのその言葉の意味が分からなかった。
乃莉ちゃんは続けて言う。

「私も、なずなのこと全然迷惑だなんて思ってない。だから、ゴメンなんて言葉、いらないんだよ。」

私は、いつも他人に迷惑を掛けてばかりいると思っていた。
私は必要のない存在だから謝らなきゃいけないんだと、心の隅で思っていた。
でも、こうやって私のことを必要としてくれている人がいる。
私のことを好いてくれている人がいる。

それに気づかせてくれた目の前の大切な人に、最大限の感謝の言葉を・・・。

「ありがとう。ゴメンね、乃莉ちゃん。」
「ああもう、言ったそばから・・・。」
「あ、ゴメンね、乃莉ちゃん。」
「またぁ・・・。」
「あ・・・。」

私がゴメンという言葉から卒業するまでには、まだまだ時間が掛かりそう・・・。




最後まで小説をお読みいただき、ありがとうございました。

気づけば「ひだまりスケッチ」小説も5作目と一大勢力になりつつあります。
しかも、そのほとんどが"乃莉×なずな"で、今回もこの2人しか登場していませんw
決して他のキャラクターが嫌いというわけではないのですが、"乃莉×なずな"があまりにも好きすぎます。
見てるだけで癒される、そんな組み合わせです。

これからも「ひだまりスケッチ」の小説を書いていきたいと思います。


ご意見・ご感想をお待ちしております。


【制作予定】
未定




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