調査日:2012年9月7日、2013年6月8日


日吉橋
(沼津市)




静岡県沼津市に、日吉橋という橋があります。 
交通量の多い県道380号線に架かる橋ですが、その橋の規模ゆえ、一般的にはほとんど注目されません。

日吉橋の位置は、左図のようになっています(右側の赤いライン)。
沼津駅(左上)からも近い市街地にあり、アクセスは容易です。目印は沼津警察署です。
なお、地図の下部を流れる大きな川は狩野川です。

日吉橋の位置関係も分かったところで、レポートを始めたいと思います。
基本的に、地図の左側から右へ向かって進んでいきます。


地図は国土地理院の電子地形図を使用






県道380号線は、旧国道1号線であり、地元では"旧国一"と呼ばれることが多いです。
片側1車線の区間が多い県道380号線ですが、沼津市街は片側2車線となっており、交通量もかなり多いです。

歩道橋に気になる横断幕が掲げられていますが、今は日吉橋を目指します。







※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。

そして、こちらが日吉橋です(黄色いラインの部分)。道幅が広いため、パッと見ただけで橋を見つけるのは難しそうです。
自動車を運転している場合には、橋だと認知する暇も無く一瞬で渡り終えてしまう短さです。





さらに日吉橋に近づいてみます。
ここまでくると、橋の欄干や親柱が見え、歩行者や自転車であれば橋の存在に気づきそうです。
また、歩道のみですが周りとは舗装が異なっており、ここが橋であることを主張しています。





欄干です。
橋の規模の割には、非常に重厚な造りとなっています。
橋自体の規模が小さくても、重要な役目を担っていればしっかりとした欄干や親柱を造るのは、歴史のある橋の特徴です。
この橋が造られた時は、当然ながらこの道路が国道1号線だったわけで、まさしく日本の大動脈を支える存在だったはずです。

また、写真のように欄干が側面に回り込んでいる場所があります。
現在は1ヶ所のみがこのようになっていますが、かつては他の場所もこのようになっていたのかもしれません。






続いて親柱です。
シンプルながらもアクセントとして角に彫りが入っており、まったく安っぽいイメージを感じません。
変に高級感のある親柱よりも、むしろ欄干とのバランスが取れ、一体感のある印象を受けます。

ただ、どう見てもこの親柱、手前側に傾いてますよね・・・。
最初は老朽化や道路工事などで傾いたのかとも思ったのですが、反対側の親柱も同様に傾いているので、もしかしたら当初からこういうデザインなのかもしれません。
つまり、親柱と欄干は接しておらず、それぞれ独立していることになります。





  
親柱に設置されている銘板です。橋の名前と竣功年月がそれぞれ設置されています。
橋名の"日吉"は、この付近の地名に由来しており、現在でもバス停などに使用されています。
そして、竣功年月は昭和26年3月とかなりの古参です!

それにしても、この2枚の銘板、両者でだいぶ状態が異なっていますが、どちらかは後年に付け替えられたのでしょうか?
それとも、ただ単に日当たりなどの関係なのでしょうか?


さて、続いては道路を渡った反対側の欄干と親柱を見ますが・・・




こ れ は ひ ど い ・・・。

簡素な柵に交換されており、まったく原形を留めていません。
親柱すらも撤去されています。
柵に設置された魚のモニュメントで辛うじて川を渡っていると分かりますが、とても橋だとは思えません。

最初は、道路の拡幅工事などで邪魔になった欄干と親柱を撤去したのかとも思いましたが、反対側と同じく、歩道部分の舗装が周りと異なっていることから、竣功時から日吉橋の幅は変わっていないと思われます。
欄干の老朽化などで交換したのでしょうが、せめてもう少しマシなデザインにはできなかったのでしょうか?

果たして、こちら側の親柱にはどのような銘板が設置されていたのでしょうか。
反対側と同じ橋名と竣功年月の可能性が高いですが、河川名が書かれていたとも考えられます。
今のこの状態では、まったく知る術はありませんが・・・。






橋の両側でまったく趣の異なる日吉橋を紹介しました。

・・・と終わりたいところだったのですが、後日再び訪れてみると、日吉橋にある変化が・・・。







!?

原形を留めていた側の欄干が更新されてやがる・・・だと・・・。






※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。

しかも、欄干は更新しておきながら親柱はそのまま残すという中途半端さ・・・。
親柱と欄干のバランスがあまりにも悪く、せっかくの歴史ある橋が台無しです。
いくら安全のためとはいえ、もう少し景観に配慮できなかったのでしょうか?
こんな姿にするくらいなら、反対側のように親柱ごと交換してしまったほうが良かったような気もします。




昭和26年の竣功とかなりの歴史を持つ日吉橋。
しかしながら、今ではその痕跡はほんの一部にしか残っておらず、非常に残念です。
それでも、更新される前の姿を記録できただけ運が良かったのかもしれません。

姿は変わっても、交通を支えていることに変わりはなく、これからも活躍してほしいものです。



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