犬神さんと猫山さん小説 「すべてはその一言から」






きっかけは、犬神さんのある一言からだった。

「猫山さん、今度の休みデートしましょ!」
「何言ってんの?」

犬神さんは、いつも変なことを言って私の反応を楽しんでいる。
それにすっかり慣れていた私は、今回もそうなんだろうと思って軽くあしらった。

「普通にお出かけって言えばいいのに・・・。デートなんて言ったら、私たち恋人みたいじゃん。」

でも、今回は違った。

「みたいも何も、私たち付き合ってますよね?」
「え?」

犬神さんの想定外の言葉に、驚きを隠せない私は、思わず声を荒らげる。

「なんで付き合ってることになってるの!?」
「やだなぁ、今まで何度も好きって伝えてきたじゃないですか!」
「あれはてっきり冗談で言ってるんだとばかり思って・・・。」

聞き流してただけ・・・なんて言ったら怒るだろうか。
でも、犬神さんにだって要因はある。

「犬神さん、他の人にもすぐ好きとか言うし、抱きついたりするし・・・。」
「そのくらいは友達として当たり前のスキンシップですよ。」

怒るどころか笑顔で答えてくる犬神さん。

「この学校にはスキンシップでキスする先輩もいるくらいですし、そのくらい普通ですって。」

その先輩がおかしいだけだからそれ!
・・・と全力でツッコみたかったが、話が逸れてしまいそうだったから止めておいた。
それよりも、私には訊かなかればいけないことがある。

「そもそも、私は返事をした覚えが無いんだけど・・・。」

犬神さんの言葉を冗談だと思っていた以上、私は返事をしていない。
返事をしていないのに、どうして付き合っていることになっているのだろうか。

「そうですね。なので、無言は肯定と捉えました!」
「え、なにそれ怖い。」

なんとも犬神さんらしい単純な答えに、拍子抜けする私。

「それじゃあ、今まで犬神さんに告白できなくてずっと悩んでた私はいったい・・・。」
「え?」
「あ、いや・・・これは違くて・・・。」

気が抜けていたのだろう。
しまった・・・と思った時にはすでに口に出してしまっていた。
慌てて言い訳しようとしたが、何も言葉が続かなかった。


「猫山さん。」

とても優しい声で私の名前を呼ぶ犬神さん。
てっきりからかわれると思っていた私は、思わず犬神さんの顔を見上げる。

「私は、あなたのことが好きです。私と付き合ってください。」

一瞬、犬神さんが何を言っているのか分からなかった。
でも、それが犬神さんの私への優しさだと気づくのに、そう時間は掛からなかった。

「私も、その・・・。」

今さっき似たようなことを言ったばかりだというのに、今度は顔から火が出そうなほど恥ずかしい。
それでも、犬神さんが私のためにくれたチャンスを無駄にしてはいけないと、必死に言葉をひねり出した。

「私も、犬神さんのことが好きです。私と、付き合ってください。」
「はい! これで私たち、恋人ですね!!」

満面の笑みで答える犬神さん。
犬神さんは、さっきの私の言葉を聴いて、ちゃんとした告白をしてくれたんだ。
普段あんなにふざけているくせに、こういう時はかっこいいんだから犬神さんはずるい。
そこが、私が犬神さんを好きになった理由のひとつでもあるんだけど。

「改めて恋人になったわけですし、デートしましょう!」
「ちょっと早すぎすぎない?
「え〜、いいじゃないですか! どこ行きます?」

いろいろとあったけど、犬神さんと恋人になりました。



最後までお読みいただき、ありがとうございました。
初めての「犬神さんと猫山さん」小説でしたが、いかがでしたでしょうか?
2014年に5分アニメとなったこの作品ですが、私は原作の独特な作画が好きで今でもハマっています。

一度小説を書いてみたいとは思っていたのですが、正直かなり難しかったです。
というのも、この作品、デフォルトでイチャイチャしてるんですよね・・・。
小説で書きたいことがすでに原作で実現しているというw
公式でイチャイチャしてくれるのは嬉しいのですが、なんとも贅沢な悩みです・・・。

原作では登場キャラクターも増えていますし、これからも書いていきたいと思います。
ご意見・ご感想をお待ちしております。



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