けいおん!小説「バレンタインデー」




「あの・・・唯センパイ?」
「なーに? あずにゃん。」

「これ、なんですか?」


あぁ、その質問、やっぱり来ちゃったかぁ・・・。



― バレンタインデー ―



今日はバレンタインデー。
だから私はあずにゃんに手作りチョコをあげたんだけど・・・。


いつも家では料理は憂にまかせっきりだから、チョコの作り方なんて知ってるわけがない。
でも年に1度のイベントだし、どうしても手作りチョコを作りたかったから、憂に教わりながら一生懸命作った。
けど、いきなりそんなうまくできるわけもなく大失敗で・・・。

本当は作り直したかったけど、気づけば夜が明けててそれどころじゃなくて。
おかげで寝不足なんだけど・・・今はその話はおいといて。


そんなわけで、今あずにゃんの手にはその大失敗作が乗っかっている。
確かにそれはパッと見何なのか分からないただの黒い塊だから、あずにゃんのその質問はもっともなんだよね・・・。


「一応チョコ・・・なんだけど。」

とりあえず質問に答えた。
あぁ、あずにゃんの顔が驚愕の表情に変わっていくよ・・・。無理もないかぁ。


「味見はしてあるから大丈夫だけど、見た目がやっぱりダメだよね。無理して貰ってくれなくてもいいよ。」

私がそう付け加えると、あずにゃんが慌てて言ってきた。

「せっかく唯センパイが一生懸命作ってくれたのに、貰わないわけないじゃないですか!」


大事そうに私のチョコをカバンを入れるあずにゃん。
あずにゃんは優しいねぇ・・・なんて思っていると、でも・・・とあずにゃんが口を開いた。

「唯センパイはもう少し料理を学んだ方が良いと思います。一応女の子なんですから。」


だよねぇ。
というか、今「一応」って言われたよね。あずにゃん、ちょっと酷くない?
ここはセンパイとして何か反論せねば・・・


「今度、私が教えてあげますよ。」
「ホント!?」

あぁ、なんで私はこんなに意志が弱いんだろう・・・。
でも、あずにゃんと一緒に料理ができるなんてめったにないことだし!


「ありがとう、あずにゃん!」

嬉しくてついいつもより強めの力で抱きしめてしまう。
うん、あずにゃんの体はいつ抱きしめても温かくて心地いいね。


「ちょ、放してくださいよ唯センパイ・・・。」

あずにゃんの顔が真っ赤になっているのが分かる。
もう数え切れないくらい抱きしめているのに、未だにこうやって顔を赤らめるあずにゃんが可愛くてしょうがない。


「む〜・・・。」

抱きしめられながら、何かを必死に考えている様子のあずにゃん。
どうにかして私を離ず方法を探してるんだろうけど、どんな手も私には通用しない・・・

「そうだ、私も唯センパイにチョコ作ってきたんですよ。」
「えっ、食べたい!」


あ・・・離しちゃった。
食べ物の話になると弱いなぁ、私。

まぁ、あずにゃんの手作りチョコが食べられるからいいかな。
あずにゃん分も充分補給できたしね。



「おぉ、これこそ私が求めていたチョコだよ!」

これが、あずにゃんから貰ったチョコを見て口にした最初の感想。
そこには、誰がどう見てもチョコレートと分かる、見るからにおいしそうなチョコレートがあった。
さっそく1つ食べてみる。

「甘くておいしい。」


私もこんなチョコを作れるようになりたい。
そうだ、まずはあずにゃんにこのチョコの作り方を教えてもらおう。


「あ〜、センパイもう食べちゃったんですか!」
「だって、おいしそうだったんだもん。」
「じゃあ私もセンパイから貰ったチョコ食べちゃいます。」


来年のバレンタインデーには、あずにゃんにちゃんとしたチョコをプレゼントできればいいなぁ。



最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございました。

ちょうど時期なので、バレンタインデーものを書いてみましたw
アニメでは梓が唯にチョコを渡す話はありましたが、その逆は無かったので製作してみました。
さりげなく唯視点の作品は今回が初めてだったりします。

今回の小説は「唯×梓」とも「唯&梓」とも言えますが、どちらと取るかは読者の皆様にお任せします。
ちなみに、タイトルはただ単に思いつかなかっただけですw


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