調査日:2013年4月14日


木村翁の橋(仮称)
(長泉町)



静岡県駿東郡長泉町の竹原というところに、気になる橋を見つけたので、紹介します。


まずは、左側の地図をご覧ください。
非常に分かりにくい場所に橋があるため、広域の地図となっています。
中央付近の赤いラインの部分が橋です。
左上にはJR御殿場線の下土狩駅、右上にはJR東海道新幹線、JR東海道本線、伊豆箱根鉄道の三島駅、右側の「楽寿園」という文字の脇には伊豆箱根鉄道の三島広小路駅がそれぞれあります。橋は、いずれの駅からも少し離れた場所にあります。


地図は国土地理院の電子地形図を使用






続いて、詳細な地図になります。橋の周辺は、閑静な住宅地となっています。
注目していただきたいのは、橋が架かっている場所です。確かに川には架かっているのですが、道路ではない場所に架かっているように思えます。
いったいどのような状況になっているのか、見ていきましょう。


地図は国土地理院の電子地形図を使用






マンションも建つ住宅地となっている竹原地区。

実は、この写真の中にすでに橋が写っています。
どこにあるか分かりますか?
写真左側、ガードレールの奥に注目してください。







そこにあったのは、おおよそ周囲の風景と合わなそうな石積みのアーチ橋です。
しかも、橋の前後に道路は無く、橋だけが架かっているという不思議な立地となっています。






アーチ橋は、普通車程度なら通れそうな幅があります。
ただし、欄干は無く(以前はあったのかもしれませんが)、現在は右側に申し分程度の縁石が残るのみとなっています。
もちろん、親柱も無いため、この橋の竣工年月はもとより、名前すら分かりません。






※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。

唯一、手掛かりになりそうなのは、橋の前に建っている石碑です。
石碑には、「木村翁架橋功績碑」と刻まれており、木村という老人が架橋したことを称えた石碑であると分かります。

というわけで、石碑の文面から取り、この橋を「木村翁の橋」と呼ぶことにします。






それにしても、橋のすぐ先はマンションが建ち、左右の護岸もコンクリートで固められている中、よく残っているものです。

手掛かりがほとんど無いこの橋ですが、1941(昭和16)年の航空写真を見るとすでに架かっているように見えます。
実は、この付近はかつて三島競馬場があり、この橋は競馬場の敷地内に架かっていた時期があるようです。
競馬場はごく短期間で消滅してしまったため、現在ではまったく遺構が残っていません。
木村翁の橋は、三島競馬場を今に伝える貴重な証人かもしれません。





現在は立ち入ることができなくなっている木村翁の橋ですが、橋の周辺だけガードレールではなく柵となっています。
おそらく、比較的近年までは柵が無く、立ち入りができたのではないかと思います。

例え立ち入りが可能だったとしても、これだけ住宅に囲まれていては立ち入る気がなくなりそうですが・・・。

架けられた理由すらもはっきりと分からない木村翁の橋。
夏場は草木が生い茂り、非常に分かりにくい状況になってしまうのではないかと思われるので、注意が必要です。
また、訪れる際には住民の方のご迷惑にならないようご配慮をお願いいたします。



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