恋する小惑星小説 「待っててください」





「とても綺麗なのに、切ってしまうんですか?」

そう聞いてくるのは、美容室の店員。
私は今日、今までずっと伸ばしてきた髪を切る。

――

「私は、みさ姉のことが好きです。」

みさ姉が高校を卒業する最後のバレンタイン。
私は告白した。

「ありがとう。でも、萌君の気持ちに応えることはできない。」

分かってはいた。
そもそも、同性同士という時点で、可能性は限りなくゼロに近かった。

「誤解しないでほしい、今の私では萌君を幸せにすることができないと考えたうえでの判断だ。」
「どういうことですか?」
「ただでさえ地元を離れるから会える機会が減るうえに、大学も忙しくなるだろう。そんな状態で付き合っても、萌君を悲しませてしまうだけだと思う。」

こんな時でも、みさ姉は私の心配をしてくれる。
私は、みさ姉のそういうところに惹かれたんだと再認識した。

「そうだな、私が大学を卒業して戻ってきた時、まだ萌君が今と同じ気持ちだったら、また聞かせてくれないか?」
「それは、まだ可能性があるってことですか?」
「もちろんだとも。」

結果からいえば、"保留"ということなのだろう。
私を傷つけたくないという、みさ姉らしい判断ではあるが、逆に最低4年間は待たなければいけないわけで、それであればこの場で決めて欲しかったという思いもあった。

「分かりました、約束ですよ。」
「あぁ、約束だ。」

でも、せっかく貰ったチャンスなのだから、諦めることはしない。
私は、決意として今まで伸ばしてきた髪を切ることにした。

――

「本当に切ってしまってよろしいですか?」

今一度店員に確認されたが、もう気持ちは変わらない。
私は、迷うことなく返事をした。

「はい。」

切った髪がまた、みさ姉の髪と同じくらいの長さになって、それでも気持ちが変わらなかったら、私はみさ姉にもう一度告白する。
だから待っていてください、みさ姉。



最後まで小説をお読みいただき、ありがとうございました。

初めての「恋する小惑星」小説でしたが、いかがでしたでしょうか。
今回は、アニメ後半で、萌ちゃんが髪の毛をバッサリ切っていたところから想像して書きました。
いつも比較的明るい内容を書くようにしているのですが、「髪を切る=失恋」というイメージが強く、やや報われないENDとなってしまいました。
萌ちゃん推しの方、みさ姉推しの方両方に申しわけない気持ちです。
ただ、みさ姉の性格からすると、このような展開もありえるのではないかという想像で書きました。
私の本命は「みら×あお」なので、そちらも書いてみたいと思います(何

ご意見・ご感想をお待ちしております。




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