ラブライブ!小説 「似た者同士」






ライブへ向けた練習中、少しの休憩時間。
花陽や凛たちは、他のメンバーと楽しそうに会話している。

私は屋上の隅に座り、それを遠くから眺める。

「何やってんのよ、こんなところで。」

声がするほうを向くと、そこにいたのは矢澤先輩。

「花陽や凛たちと一緒におしゃべりすれば良いのに。」
「そう言う先輩はどうなんですか?」

どうしてまだ知り合ったばかりの矢澤先輩にそんなことを言われなきゃいけないのかと、ふてくされ気味に答えた。

「せっかくアンタのことを心配してやってるのに、つれないわね・・・。」
「別に心配してほしいなんて言っていませんし。」

馴れ馴れしく話しかけてくる先輩に、私は苛立ちを隠せなかった。

「アンタ、もしかしてあの子たちに混ざるのが怖いとか思ってない?」

しかし、先輩のその一言で、苛立ちは一気に消えていった。

「私は、正直怖いわよ。」

先輩は、私の隣に座り、話を続ける。

「ずっと仲間だと思ってても、ある日突然居なくなるのよ。」

前を向いたまま、淡々と話し続ける先輩。

「厳しい練習だけど、一緒にがんばろうって約束したのに。」

その表情は、練習の時の笑顔とは対照的な、まるで無表情で。

「それからは、クラスにいてもろくに会話しなくなったわ。あぁ、友達ってこの程度なのね・・・って。」

それは、まるで私だった。
私は、少し特殊な家庭に生まれたからか、昔から他の子と会話が合わないことが多く、友達なんてできなかった。
最初のうちは仲良くしようね・・・なんて言ってた子も、少ししたら私と視線を合わせようともしなくなった。

「だから私は、1人で頑張るって決めたの。」

もともと一人っ子で内気だった私も、1人で生きていくことを選ばざるを得なかった。

「最初アンタ達を断ったのは、そういう理由からよ。あの時の二の舞になるんじゃないかってね。」

もしかしたら、私と矢澤先輩は、少し似ているのかもしれない。

「だけど、アンタ達は何度も何度も、しつこいくらいに私のところに来た。」

いや、きっと先輩もそう思って私に話しかけてきたんだ・・・。

「だから、もう一度だけ信じてみようって。」

そう言う先輩の表情には、笑顔が戻っていた。

「ねぇ、アンタももう一度だけ"仲間"を信じてみない?」

先輩は立ちあがりながらそう言うと、私に手を差し出してきた。
この先輩となら大丈夫、そんな気がした。
私は、その小さな手を握り、立ちあがった。

「行くわよ、ツリ目!」

そう呼ばれ、思わずコケそうになる。

「真姫よ!」
「ごめんごめん。」

慌てて反論すると、無邪気な表情で謝る先輩。
やっぱり先輩は笑顔が似合う。

「行くわよ、真姫ちゃん!」



最後までお読みいただき、ありがとうございました。

「ラブライブ!」小説もついに11作目となりました。
そのほとんどが「にこ×真姫」なのですが、今回も性懲りもせず「にこ×真姫」です。
以前、にこちゃんが真姫ちゃんを意識する小説を書いたので、今回は真姫ちゃんがにこちゃんを意識する小説を書いてみました。

ラブライブ!シリーズも「サンシャイン!」・「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」・「スーパースター!」と続いており、それぞれに推しキャラ、推しカップリングはありますが、やはり「にこ×真姫」が原点にして頂点です!
今後も、ネタが思いつく限り書いていきたいと思います。




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