ラブライブ!小説 「初めてを奪う先輩」





医者の娘として生まれた私は、幼い頃から周りの人に特別扱いされてきた。
学校に行っても、パーティーに行っても、どこに行っても褒められた。

一通り習い事はしていたから、成績は良かったし、行儀も良かった。
誰も私を怒る人なんていなかった。


『ツリ目のアンタ! 気合入れて!!』


だから、名前も呼ばれずにいきなり怒られた時は驚いた。
いや、こんなの怒られたうちに入らないけど、とにかく衝撃的だった。

さすがに"ツリ目のアンタ"は失礼だと思ったけど、私のことを他の人と同じように見てくれた。
それ以降、私はその先輩のことが気になってしょうがなかった。

― 矢澤にこ先輩 ―

私より小さくてツインテールで、いつも「にっこにっこにー☆」なんて言ってて、外見はとても私より2歳も年上の先輩には見えなくて。
でも、妹や弟がいて、アイドル研究部の部長をしていて、本当はすごく大人びていて。
そのギャップが何だかおかしくて、私はもっとにこ先輩のことを知りたくなった。
他人にこんなにも興味を持ったのは、"初めて"だった。


『にこちゃん、一緒にお昼食べましょ。』

『にこちゃん、帰りちょっと寄り道していかない?』

『にこちゃん、今度の日曜は暇?』


ことあるごとに、私はにこちゃんと一緒に行動するようになった。
こんなにも自分から誘ったり話し掛けたりするのも、"初めて"だった。

先輩禁止になったあと、私は先輩後輩関係無く呼び捨てで名前を呼ぶようになっていた。
でも、にこちゃんだけは心のどこかで特別に思っているみたいで、どうしても呼び捨てにはできなかった。
この時の私には、まだこの特別が何なのか分からなかった。


「真姫ちゃん、最近にこちゃんと仲良いにゃ。」
「そういえばそうだね。」
「そうかしら?」

それは、ある日、凛と花陽と一緒にお昼を食べていた時のこと。
凛のさりげない一言から始まった。

「もしかして、にこちゃんのこと好きなのかにゃ?」
「ど、どうしてそうなるのよ!」

凛の言っている意味が分からなかった。

「だって、真姫ちゃんいつもにこちゃんのこと見てるし、にこちゃんに会う度に話し掛けてるから、てっきり・・・。」
「もしかして無自覚だったり?」

そういえば私は、今まで恋というものをしたことが無かった。
人を好きになるということが、どういうものなのか知らなかった。

にこちゃんは私にとって特別な存在。
いつもにこちゃんの近くに居たいと思うし、触れていたいと思う。
もしこれが恋だとすれば、にこちゃんは私の"初恋"の人になる。

「真姫ちゃん、頑張るにゃ!」
「何を頑張るっていうのよ・・・。」


にこちゃんは、私の"初めて"をどんどん奪っていく。
その度に、私の心の中はにこちゃんで埋め尽くされていって。


「真姫ちゃん、練習行くわよ!」
「待ってよにこちゃん!」


今度は、どんな"初めて"を奪ってくれるのだろうか。



最後までお読みいただき、ありがとうございました。
3作目の「ラブライブ!」小説でしたが、いかがでしたでしょうか?
今までの3作がすべて「にこ×真姫」小説というすごいことになってますがw
本当に"にこまき"ヤバいんですよ、私の中でいろんな意味で。

しかし、同じμ'sにいるとはいえ2つも学年が違うと、本来はあまり接点は無いのではないかと思います。
そんな中でどうやってお互い惹かれあったのか、そんなことを考えながら書いたのが今回の小説です。
個人的には、真姫が先に意識したのではないかと思っていますが・・・。


ご意見・ご感想をお待ちしております。


【制作予定】
未定



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