ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 「暴走」





「愛さん。」

私の制服の袖を引っ張りながら、見上げてくるりなりー。
今日もかわいいなぁ!

りなりーと知り合って数ヶ月。
だいぶ打ち解けてきたとは思うけど、愛さん的には、正直もっと親密な仲になりたい。
りなりーは、どこまで私に心を許してくれるだろうか。

思い立ったが吉日。
まずは、簡単なところから試してみよう!

「はい、あ〜ん!」
「愛さん、恥ずかしい・・・。」

そう言いつつも、小さな口を目一杯開けて食べてくれた。
美味しそうに食べてくれて、愛さん感激!

となると、今度は直接りなりーに触れたい。
手を繋ぐくらいなら良いのかな。

「行こ、りなりー。」

さりげなくりなりーの手を握ってみる。
とても小さい、けれどとても暖かい体温が伝わってくるのが分かる。

「愛さん、手・・・。」

最初は少し戸惑った様子だったけど、しっかりと握り返してくれた。
それなら、もう少し踏み込んでも良いのかな。

「りなりー発見!」

そう言いながら、うしろから抱きついてみる。
身長差から、私がりなりーに覆い被さるような格好になった。
あ、りなりーの髪の毛めっちゃ良い匂い・・・。

「わわ・・・愛さん。」

驚いた声を上げたりなりーだけど、特に抵抗することもなく受け入れてくれた。
どうしよう、愛さん止め時が分からなくなっちゃったよ。

――

「ふぁ〜。」

りなりーが、気の抜けた声を発する。

「りなりー、眠くなっちゃった?」
「うん、ちょっと疲れちゃった。」

りなりーの言葉を聴いた私は、良からぬ事を思いついてしまった。

「りなりー、愛さんの膝貸してあげるよ。」

さすがに、りなりーでもこれは難色を示すのではないだろうか。
でも、それはそれで私の中で線引きができるから・・・と理由をこじつけ、結局は自分の欲望に負けていた。

「いいの?」

でも、返ってきたのは私が思っていた答えではなくて。

「うん、いいよ!」

言ってしまった手前、口では平静を装ったものの、内心かなり焦っていた。
そんな私にはお構いなしに、りなりーは私の膝に頭を乗せて横になると、そのまま目を閉じた。

「愛さんの膝、あったかい・・・。」

もしかしたら夢なのでは、とも思ったけど、スカートを通じて伝わってくるりなりーの体温が、それを否定する。

「すぅ・・・すぅ・・・。」

よっぽど疲れていたのか、りなりーすぐに寝息を立て始めた。
いくら仲が良い友達とはいえ、他人の膝で寝るのは私でも抵抗がある。
それなのに。

「どうして受け入れちゃうのさ、りなりー・・・。」

無意識に口に出していた。
目の前にいる無防備なりなりーを見ていると、私の中のイケナイ感情が、ふつふつと湧いてきてしまう。

「そんなことされたら愛さん、期待しちゃうよ・・・。」

呼吸をする度にゆっくりと動くピンク色の唇。
りなりーにキスしたい。
私の頭の中は完全に支配されていた。

「このままだと愛さん、りなりーにキスしちゃうよ・・・。」

寝ているりなりーに聞こえるはずはないのに、口が動く。
私の中にかろうじて残っている理性が、自分自身に最後の問いかけをしたのかもしれない。
もしくは、ここで起きなかったりなりーが悪いと、開き直ったのか。
そんなの最低だと心の奥深くでは思っていても、行動は伴ってくれない。
自分の唇に、りなりーの吐息が感じ取れるくらいまで近づいているのが分かる。
視界には、りなりーの綺麗な白い肌しか見えない。
あと数センチ、もしかしたら、数ミリでキスしてしまう。
でも、もう止められない。
私は、そのまま顔を近づけた。

「愛さん、何してるの。」
「うぇ!?」

自分でもどうやって発したのか分からない間抜けな声が出る。
反射的に背筋を伸ばし、一瞬でりなりーとの距離が開いた。

「りなりー、いつから起きて・・・。」
「最初から起きてた。」

全身から熱が抜けていく。
血の気が引くとは、まさにこのことを言うのだろうか。

「最近の愛さん、なんだかおかしかったから。」

りなりーにも分かるくらい、私の欲望は溢れていたらしい。
自分でも止められなかったんだから、当たり前なのかもしれない。

「それで、私に何しようとしてたの?」

りなりーは、表情からは感情が読み取りづらいと言われるけど、それでもいつもなら理解できるのに。
今は、どれだけりなりーの表情を見てもまったく分からなくて。
私の身勝手な過ちで、りなりーとの関係が崩れてしまったんだと悟った。

「りなりーに、キス・・・しようとしてました。」

もう、りなりーとは元に戻れない。
言い訳を考える気にもなれなかった。

「どうして?」
「りなりー・・・天王寺璃奈さんのことを好きになってしまったからです。」

最悪な形での告白。
あまりにも情けなくて、涙が出てきてしまった。
こんな顔を見られたくないのに、私の膝に頭を乗せたままのりなりーが、離れることを許さない。

「愛さん。」

りなりーの右手が、私の顔に近づいてくる。
叩かれるのか、それとも胸ぐらを掴まれるのか。
覚悟し、私は目を閉じた。

「泣かないで。」

けれど、頬に感じたのは柔らかなもので。
想定外の感触に目を開けると、りなりーが指先で涙を拭ってくれていた。

「りなりー、どうして・・・。」
「私も、宮下愛さんのことが好きだから。」

そんな都合の良いことがあっていいのだろうか。
それでも、りなりーの表情は本気であることを訴えていて。

「愛さんが、私に色々してくれるようになってから、少し期待してた。」

りなりーも、私と同じだったんだ。
お互い好きだったのに、私の勇気が足りなかったせいですれ違ってしまったんだ。

「だから、愛さんも私のことが好きで嬉しい。」

りなりーのこと、ほかの人より分かっているつもりだったのに、気づいてあげられなかったなんて、愛さんダメダメだ。

「でも、寝ている間に勝手にキスするのはダメ。」
「ごめんなさい・・・。」

こればかりは、謝ることしかできない。
私でも絶対嫌なんだから、りなりーが良いなんてことはありえない。
少し考えれば理解できることだったのに。

「キスする時は、ちゃんと言って。」
「・・・いいの?」

思わず訊き返してしまった。

さっきまで必死になって無理矢理キスしようとしていた私が言うのはおかしいけど、そんなあっさり許可して良いものなのだろうかと、りなりーのことが少し心配になる。

「うん。」
「それじゃあ・・・。」

それでも、肯定の返事をするりなりー。
障害が無くなった私にとって、申し出ないという選択肢は存在しなかった。

「りなりー、キ・・・」
「いっけな〜い! かすみん、部室に忘れ物しちゃいました!」

勢いよくドアが開くと同時に、賑やかな人が入ってきた。
本当に、タイミングの悪さだけは、すごい才能を持っていると思う。

「かすみちゃん・・・。」
「かすかすさぁ・・・。」

りなりーと一緒にため息をつくと、呆れ顔で言う。

「2人とも何ですかその顔。というか、かすかすじゃなくてかすみんです!」

しばらく、キスはお預けになりそう。



最後まで小説をお読みいただき、ありがとうございました。

「璃奈×愛」尊い・・・(何
私、学年差とか身長差に弱いんですよ(聞いてねぇよ
基本的に平和な内容を書くことが多いのですが、今回はややシリアス寄りとなりました。
愛さんも、りなりーの可愛さにたまに暴走しちゃうことがあるんじゃないかと思います。
そして安定のかすかす。本当は部室のドアの隙間から2人を見てて、タイミングを図って中に入ったりしてるかもしれませんw

これからも、「璃奈×愛」小説を書いていきたいと思います。

ご意見・ご感想をお待ちしております。




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