ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 「璃奈ちゃんボードの裏側」





「またね、りなりー。」
「うん、また明日。璃奈ちゃんボード、バイバイ。」

まただ。
りなりーが、自分の感情をみんなに伝えるために使い始めた璃奈ちゃんボード。
同好会の仲間といる時はもちろん使っているけど、私と2人の時は今まで使うことはなかった。
けれど最近、私に対してもボードを使うようになった。

自慢じゃないけど、私は璃奈ちゃんボードなんて無くてもりなりーの考えていることが分かる。
それはりなりー本人も分かっているはずで、だからこそ今まで私にはボードを使っていなかったんだと思う。
だとすると、ボードを使い始めた理由は、素の感情をボードで上書きするため、つまり私に知られたくないことがあるからではないだろうか。
りなりーに限ってそんなことは無いと信じたいが、気になって仕方がない。

「りなりー、今日も練習頑張ってたね。」
「うん、愛さんに負けないように頑張った。」
「偉いぞりなりー。」

学校帰り、2人で並んで歩く。
いつも通りのりなりーだ。

「明日土曜で練習も無いから、りなりーの家行っても良い?」

これ自体は今回が初めてというわけではなく、今までも実際に月に1度程度の頻度で遊びに行っている。
だから、予定が入っていない限りは「いいよ」の一言が返ってくるはずなのに。

「璃奈ちゃんボード、嬉しい。」

なんで、そこで璃奈ちゃんボードが登場するの?
明らかな違和感を持った私は、できる限り優しく璃奈ちゃんボードを取り上げた。

「あ・・・!」

異変に気づいたりなりーは、すぐに私から顔を背けたけど、一瞬表情が見える。
今まで見たことが無いくらい、まるでりんごのように赤面していた。

「愛さん、見ちゃダメ!」

必死に顔を隠そうとするりなりー。
どうして、そんな表情をしているんだろう。

「りなりー、愛さんに何を隠してるの?」
「言えない。」

私には、なんでも話してくれると思っていたりなりーが、そんなことを言うなんて。

「どうして言えないの?」
「言ったら、絶対に愛さんに嫌われる。」

こんなに抵抗するりなりーは初めて見た。
そこまでして私に知られたくないことって、なんなんだろう。

「愛さん、りなりーが何を言っても嫌いになんてならないよ。」

無意識に掴んでいたらしいりなりーの腕を自分のほうに引き寄せる。
そのまま小さな背中を抱きしめ、絶対に離さないという意思を伝える。

「約束してくれる?」
「約束する、だから話して。」

相変わらず顔は見せてくれないけど、話してくれる気になったようだ。
すぅ・・・と、小さく息を吸う音が聞こえる。

「私は、愛さんのことが好きです。」

やっと私に見せてくれた表情は、やっぱり真っ赤で、今にも泣きそうで。
いつもなら”愛さん愛されてるなぁ!”なんて冗談めかして返すところだけど、こんな顔見せられてそんなことを言える状況でないことは明白で。

「・・・その好きは、私と恋人になりたいってこと?」
「うん。」

りなりーの一連の言動から、そういうことなんだろうと思った。
肯定の返事に、胸が高まる。

「おかしいって分かってるのに、愛さんを見るだけで顔が熱くなってどうしようもなくて、だからボードで隠してた。」

そう言うりなりーは、とても愛おしく見えて。
思わず、抱きしめる手に力が入ってしまう。

「おかしくなんてないよ。」
「本当・・・?」
「だって、愛さんもりなりーのこと大好きだもん!」

勇気を出して私に伝えてくれたりなりーに負けないよう、私も目一杯の想いを込めて言う。
一方で、りなりーを苦しめてしまっていた原因が私自身だったことは恥じなければならない。

「もっと早く気づいてあげられなくてゴメンね。」
「愛さん・・・。」

だから、りなりーに笑顔になってもらうために、せめてこれだけは私から言わなきゃ。

「りなりー、私と付き合ってください!」



最後まで小説をお読みいただき、ありがとうございました。
気づけば虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の小説も5作目となりました。
まぁ、そのほとんどが璃奈×愛なわけですが・・・。

今回の小説は、アニメ後半でりなりーが愛さんに対して璃奈ちゃんボードを使っていたところにヒントを得ました。
基本的に、りなりーは愛さんに対しては璃奈ちゃんボードは使用しないのですが、この時だけは使っており、さらに直後のカメラアングルも意味深だったので、もしや・・・と考えた次第です。
自分の感情をみんなに理解してもらうために開発した璃奈ちゃんボードを、自分の感情を隠すために使うのは、本人にとってなかなか複雑な心境でしょう。
そして、愛さんならそんな小細工に誤魔化されないだろう、という想像から書いた小説になります。

今後も、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の小説を書いていきたいと思います。

ご意見・ご感想をお待ちしております。




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