NEW GAME!小説 「それぞれの進路」





高校生活がちょうど折り返し地点に差し掛かろうというところ。
私は白紙のままの進路希望調査票を見ていた。

「まだ高校2年生だよ、今から自分の進路を決めるなんて無理だよ。」

手は一向に進まず、口ばかりが動いてしまう。

「まぁそうだけど、先生は私たちがどういう進路を希望してるか知りたいだろうし。それに”まだ”、じゃなくて”もう”高校2年生なんだから受験なんてあっという間だよ。」

至極当然なことを言うのは親友のあおっち。
そこまで言うなら、当然あおっちは進路は決まっているんだろう。

「じゃあさ、あおっちは大学どこにするの?」
「う〜ん、就職しようかな・・・。」

私は、聞き間違えたかと思った。

「え、今なんて・・・?」
「まだ決めたわけじゃないけど、就職も良いかなって。」

なんで? どうして?
私の頭の中には、その言葉ばかりが駆け巡った。

「私が『八神コウ』のファンだってことは、ねねっちも知ってるでしょ。私ね、その人がいる会社に入って、その人と一緒に仕事がしたいの。」

その名前は、今まで何度もあおっちの口から聴いたことがあった。

「もちろん、すぐに一緒に仕事ができるとは思ってないし、会えるとも思ってない。でも、少しでも早くあの人を追いかけたい。」

そう言うあおっちは、いつになく真剣な表情で。

「だから、もし来年その会社が求人を出してくれたら、私はそこに行こうと思う。」

“八神コウ”という人物は、あおっちにとってこんなにも大きな存在になっていたんだ。

「悔しい・・・。」
「悔しい?」
「だって、会ったことも無い人にあおっち取られちゃうんだもん。」

こんなことを言ってもあおっちを困らせるだけなのに。

「私なんてずっとあおっちと一緒にいて、誰よりもあおっちのこと知ってる自信あるのにさ。」
「もしかして、ねねっち嫉妬してる?」
「そんなんじゃないけどさ。」

完全に嫉妬だ。
どうして私はこうも面倒くさいんだろう。

「ありがとう。」
「え?」
「ねねっちがそこまで私のことを考えてくれてるなんて思わなかった。」

あおっちの予想外の言葉に、私は間抜けな返事しかできなかった。

「ねねっちは私の一番の友達だよ。」

お礼を言わないといけないのは私のほうなのに。
だから、私はあおっちに最大限の感謝の気持ちを伝えることにした。

「大好きだよ、あおっち!」

それにしても、私の進路はどうしよう。
こうなったら・・・。

「決めた! 私もあおっちと同じところに就職する!」
「ダメだよ、大切な自分の進路なんだからちゃんと決めないと!」



最後までお読みいただき、ありがとうございました。

初めての「NEW GAME!」小説でしたが、いかがでしたでしょうか。
小説自体はアニメ1期の放送終了後に書き始めましたが、今回2期の放送に合わせて公開することにしました。

「NEW GAME!」はカップリングがたくさんできるのが良いですよね(何
2期が放送されてからは「青葉×コウ」や「ねね×うみこ」にハマりつつある私ですが、やはり同じ高校の時間を過ごした親友として、「青葉×ねね」は特別な存在であると感じています。
なので、今回の小説もあえて高校時代まで遡って、登場人物もこの2人だけに絞ってみました。
今後も書く機会があれば、今度はほかのメンバーも登場させてあげたいです。

ご意見・ご感想をお待ちしております。




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