調査日:2012年4月8日・2018年3月4日、公開日:2019年10月2日


西伊豆町にある謎のトンネル
(西伊豆町)



西伊豆町といえば、堂ヶ島や黄金崎といった観光地が有名です。
しかし、鉄道の駅からは路線バスで1時間以上掛かるため、公共交通機関だけではなかなか訪れることができず、伊東や下田、修善寺といった観光地と比べると、ややマイナーな印象があります。
そんな西伊豆町の一角に、謎のトンネルが存在しています。

左の地図で、上側(北側)が伊豆市方面、下側(南側)が下田市方面となります。
南北に通っている赤いラインは国道136号線で、西伊豆町の主要道路となっています。
また、付近には名勝となっている堂ヶ島天窓洞があり、西伊豆町の中でも比較的賑わっている場所になります。
次の地図では、緑の丸で囲んだ部分を拡大します。


地図は国土地理院の電子地形図を使用







謎のトンネルは、緑の丸で囲んだ部分に存在します。
国道136号線と関係がありそうな立地にも見えますが、果たして・・・。

このレポートでは、基本的に上(北側)から下(南側)へ向かっていきます。


地図は国土地理院の電子地形図を使用





国道136号線は、伊豆半島の主要道路というだけあって交通量が多いです。
また、修善寺駅と土肥・松崎を結ぶ路線バスも1時間に1本程度運行されています。

そのトンネルは、東海バスの瀬浜停留所付近にあります。





お分かりいただけただろうか。

国道136号線の左脇にぽっかりと口を開けています。
しかし、坑口前にはバリケードが置かれ、現在は使用されていないようです。
立地的には、国道136号線の旧道のようにも見えますが、何やら様子がおかしいです。







狭くね・・・?
国道136号線の旧道のトンネルにしては、あまりにも狭すぎますし、高さも足りません。
しかも、トンネル内部はすごい勢いで下っているようにも見えます。
一体どういうことなのでしょうか。






※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。

階段じゃねーか!
しかも、奥のほうで右に曲がり、さらに下っていくのが分かります。
国道136号線を潜るような線形になっており、これは道路としての隧道ではあり得ません。






※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。

>国道136号線を渡り、反対側を覗き込んでみると、トンネルの出口が見えました。
どうやらこのトンネルは、国道136号線を潜るために造られたようです。
しかし、降りたきりで登りが無いため、ただの地下道というわけでもなさそうです。




振り返ってみると、プールとテニスコートらしき施設があるのが分かります。
しかし、現在は使われている様子はありません。

ということは、先ほどのトンネルはこのプールやテニスコートへのアクセス用に造られたものの、それらの閉鎖によって使用されなくなった・・・ということなのでしょうか。
だとしても、なぜわざわざ対向車線側からトンネルを造ったのでしょうか。
こちら側から階段を設置すれば済む話だと思うのですが・・・。

真相は、地形図が教えてくれました。







緑のラインはトンネルのおおよその位置を示しています。
そして、緑の丸で囲んだところには建物があることになっています。
しかし、このレポートの通り、現在トンネルの前は更地となっており、建物はありません。

実は、地形図に描かれているこの建物は「堂ヶ島小松ビューホテル」というホテルで、2014(平成26)年に閉館、解体されています。
もうお分かりでしょうか。
このトンネルは、「堂ヶ島小松ビューホテル」とプール・テニスコートを繋いでいたものだったのです。
建物は解体されましたが、トンネルやプール・テニスコートはそのまま残されたため、現在の姿となっているのです。
なお、トンネルやプール・テニスコートは更地とともに売物件となっています。

2014年というと、東日本大震災から3年後で、伊豆半島も観光客が大幅に減っていた時期です。
「堂ヶ島小松ビューホテル」は老舗ホテルだったそうですが、この観光客の減少には耐えられなかったようです。
建物がなくなった今、トンネルとプール・テニスコートだけが「堂ヶ島小松ビューホテル」を今に伝えています。
これらの施設が、また再活用されることを願います。


地図は国土地理院の電子地形図を使用



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