のんのんびより小説 「みちくさびより」





重いエンジン音を轟かせて次第に視界から消えていく路線バス。

「あちゃあ・・・、間に合わなかったか〜。」

見事に乗り遅れた私たちは、バス停のベンチに腰掛けた。
次のバスは2時間後だ。

「せっかく走ったのにね〜。」
「仕方ない。今日はどうやってこの2時間を過ごすか・・・。」
「川遊びするん!」
「走ってきて汗かいちゃったし、ちょうどいいか。」

れんちゃんの一言で、バス停近くの小川へ移動することになった私たち。
今でこそ日常と化しているが、最初はまさかバス待ちで川遊びをすることになるなんて信じられなかった。

私がこれまで住んでいた東京は、電車もバスもすぐに来たから、待ち時間なんて無いも同然だった。
あってもせいぜい数分で、ケータイをいじっていればあっという間だった。

信じられなかったのは、バスに限った話ではない。

スーパーなんてもちろん無いし、コンビニだって車で数十分走らないと無い。
レンタルビデオ屋に至っては鉄道で数駅移動しなければならない。
家から少し歩くだけで何件もコンビニがあった東京からは、まったく想像できない。

物理的には、考えるまでも無く不便なはず。
けれど、不思議と不便だとは思わない。
なんでだろうと考えて、答えはすぐに出た。

"友達"

バスを待つ時も、買い物に行く時も、必ず友達が一緒だ。
どんなに長い待ち時間も、どんなに長い移動時間も、友達がいるからまったく退屈しないんだ。

東京にいた頃だって、もちろん友達はいた。
けれど、スーパーやコンビニに出掛けるくらいで、わざわざ友達を呼んだりはしなかった。
それがここでは、どこへ行くにも友達を呼んで、一緒の時間を過ごす。

ここは、人との繋がりが深いんだ。


「あ、バス来たのん!」
「もうそんな時間!?」
「早く準備しないとまた乗り遅れるぞ! 急げ!!」

今日も、のんびりとしていて、でもあっという間の2時間が過ぎ去っていった。
この調子では、きっと1年経つのもあっという間なんだろうな。

新しい場所で、新しい友達と、ゆるやかに日々を築いていこう。



最後までお読みいただき、ありがとうございました。
初めての「のんのんびより」小説でしたが、いかがでしたでしょうか?

読んでいて気づいた方もいるかと思いますが、エンディングテーマ曲の歌詞を少しだけ意識してみました。
そういえば、路線バスの本数ですが、アニメでは2時間に1本となっていますが、実は原作では5時間に1本なんですよ。
個人的には、5時間に1本のほうがリアルだと思うのですが、今回は2時間に1本を採用しましたw

それにしても、このアニメを見ていると、やっぱり田舎って良いなぁ・・・と思います。
私自身、田舎に住んでいるので(この作品ほどではありませんが)、親近感を感じました。
これを期に、田舎が舞台の作品が増えると良いですね。

田舎に住む一員として、これからも「のんのんびより」を応援していきたいと思います。

ご意見・ご感想をお待ちしております。


【制作予定】
「桜Trick」で書きたいですなぁ・・・。


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