図書印刷沼津工場専用線(沼津市)


調査日:2012年4月8日


東海道本線には、その利便性の良さから、かつて沿線に数多くの専用線があり、また現在も現役の専用線もあります。
静岡県の片浜駅〜原駅間に、かつて図書印刷沼津工場への専用線がありました。
左の地図の赤いラインが専用線です。左側に原駅があり、地図には写っていませんが右側が片浜駅となります。
地図のとおり、専用線の全長は1km少々と短く、ほぼ全区間で東海道本線と並走していました。
廃線となった時期は不明ですが、現在もほぼ全区間でレールが残っています。

今回は、都合上、終点である図書印刷沼津工場側(地図の右側)から原駅へ向かってレポートを進めていきます。













東海道本線の片浜駅〜原駅間にある原田踏切からスタートします。
この踏切が、図書印刷沼津工場を出た最初の踏切となります。

幅が狭いほかは普通の踏切のようですが、手前をよく見てください。





















※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。

なんとレールが埋もれています!
レールは踏切の直後に会社の敷地に阻まれて途切れていますが、この会社こそが図書印刷沼津工場です。
少し前までは図書印刷の敷地が専用線とほぼ平面で繋がっており、より専用線時代の面影を残していたようです。

というか、この踏切は専用線が現役だった頃からこの位置にあったのでしょうか。
(写真を見ると分かるように、東海道本線と専用線の間には市道が1本合流しているため、この位置にせざるを得ないと思いますが・・・)
そうなると、専用線を列車が通過する際は、踏切ではなく係員などを配置して手動で交通誘導をしていたことになります。






工場を出た専用線は、すぐに東海道本線と並走するようになります。
専用線内は特に立入禁止などの措置は取られておらず、しばらくの間は普通にレール上を歩くことができます。
天下の東海道本線においてこれだけ線路に近い場所にも関わらず、何も規制が無いのは珍しいような気もします。






沿線には、専用線に降りる階段を設置している民家もあり、専用線は地元の人が日常的に利用しているようです。
その割には、専用線の状態はかなり良好です(むしろ、一定の利用者がいるからこそ、この状態を保っているのかもしれません)。






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途中、一ヶ所だけ柵が途切れている場所がありましたが、「危険ですから近くの踏切を通行して下さい」という警告が設置されていました。
すぐ近くに踏切があるのですが、ここを通り抜ける人がいるようですね。そもそもなんでここだけ柵が途切れているのか・・・。






次の踏切が近づいてきました。
ちょうどこの場所には、場内信号の歓呼位置標と、原駅の接近を示す看板が設置されています。
さすがは東海道本線、両数こそ短いですが、日中はかなりの頻度で列車が行き交います。






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工場を出て2つ目の踏切、大塚本田踏切です。
この踏切は、専用線も含んで遮断するように設置されています。
そのため、この踏切が作動している時に専用線を歩いていると、必然的に踏切内に取り残されるという不思議な状況になります。






塚本本田踏切から先、専用線は東海道本線の敷地と一体となり、立ち入ることができません。
沿線の道路などで次の踏切まで迂回することになります。
なんか、奥のほうは明らかに架線柱が専用線に干渉していますが、専用線の廃線後に設置し直したのでしょうか。




3つ目の踏切、藤森踏切です。
この踏切も狭いですが、なぜか防犯カメラが設置されていますw

そして、警報機が東海道本線の線路からかなり手前に設置されているので、専用線を含んで遮断していたようです。
ただ、肝心の専用線のレールが見当たりません。




















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専用線を見ると、藤森踏切の前後のみ、レールが撤去されていました。
現在は、専用線の跡地に踏切の関連装置が置かれています。




4つ目の踏切、白隠踏切です。
自動車は通行できないような狭い踏切が続きます。

この踏切は、専用線のレールが残っています。
現在は、東海道本線のみを遮断していますが、専用線が現役だった頃は専用線も遮断していたのかもしれません。




















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この踏切には、初めて図書印刷による「通行禁止」の掲示板が設置されていました。
しかし、この掲示の通行禁止というのは、実は専用線の左側にある獣道を指しているのではないかとも思います。
ここまで専用線が続いてきて、専用線に対する掲示がこの1ヶ所だけというのも不自然ですし・・・。




5つ目の踏切、東町踏切です。
クロスマークの塗り分けが少し特徴的なこの踏切は、自動車も通れる比較的大きな踏切です。

そのため、交通量も多く、専用線も埋められてしまっているようです。
停止線の少し奥あたりに、専用線が通っていたと思われます。




















※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。

先ほどの藤森踏切同様、踏切の前後のみ、専用線のレールが撤去されていました。
ここから原駅側は、専用線と東海道本線の間に柵が設置され、再び専用線の上をそのまま歩くことができるようになります。






※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。

だいぶ原駅が近づいてきたという所で、なんとポイントが出現しました!
残念ながら、直進することも分岐することもできない絶妙な位置で止まってしまっていますがw






専用線は、数十メートルの間複線となっています。おそらく、機関車を付け換えるための機回し線だったのでしょう。
ここに敷かれている砂利は、当時のバラストのままだったりするのでしょうか?







線路が再び単線となるところで、防災倉庫によって進路を塞がれてしまいました。次の踏切へ迂回しましょう。
もうすぐ後ろには原駅の構内が見えています。




西町踏切です。
この踏切は、二輪以外の自動車は通ることができません。

この踏切が、原駅手前の最後の踏切となります。





















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奥からまっすぐ左手前に伸びている線路が東海道本線下り本線、下り本線の途中でこちらへ分岐しているのが下り副線です。
そして専用線は、下り副線に合流するように伸びていますが、残念ながらすでにレールは切り離されています。
専用線の右側にもさらにレールが1本見えますが、これは撤去したレールが置かれているだけだと思われます。




振り返ると、もうそこは原駅です。
今でこそ2面3線の小さな駅になってしまいましたが、専用線があった頃はもっと栄えていたはずです。
よく見ると、下り副線(一番左側の線路)のさらに左側にも、以前は線路が敷かれていたらしいスペースがあります。
きっと、貨物の入れ換えに使用していたのでしょう。

現在、原駅で荷物を取り扱うする貨物は存在しません。

















※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。

ちなみに、原駅では毎年、正月になると改札前に門松が置かれます。

ほぼ全線に渡ってレールが残っている図書印刷沼津工場専用線。
距離も短く、気軽に探索できる物件です。
ただし、くれぐれも鉄道敷地内には入らないよう、ご注意ください。












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