沼津港線(沼津市)


調査日:2012年5月11日・6月13日


沼津港線は、石油や木材・魚などの輸送を目的として、静岡県沼津市の沼津駅から沼津港までを結んでいた貨物線です。
狩野川(かのがわ)に生えていた蛇松にちなみ、地元では「蛇松線(じゃまつせん)」とも呼ばれていました。
1888(明治21)年に開通した沼津港線は、1974(昭和49)年にトラック輸送に代えられるまでの86年間、活躍しました。

ここで、沼津港線の経路について説明します。
沼津港線の開通当初、沼津港は狩野川の河口付近にあった(左図右下、現在の港大橋付近)ため、線路も狩野川の河口に向けて敷設されました(左図赤線)。
その後、沼津港が現在の場所(左図下部)に移動したため、沼津港線もそれに合わせ、沼津港へ向かう"新線"を途中から分岐させました(左図下部のピンク線)。

現在では、旧線・新線ともに、ほとんどの区間が遊歩道化されていますが、一部は線路が残ったままになっています。
それでは、沼津港線を紹介していきます。沼津駅付近から沼津港方面へ向かって(左図上から下へ向かって)レポートしていきます。


地図は国土地理院の電子地形図を使用






沼津駅西側から沼津駅を見ます。

沼津駅は、古くから栄え、現在でも当駅止まり・当駅始発の列車が多く設定されている主要駅です。
そのため、構内には車両を留置するための側線が多く、そのうちの1本が沼津港線に通じていました。
しかし、近年、沼津駅周辺は土地開発のために不要な側線の撤去や転用が進んでいます。
また、土地開発に伴う工事などで線路に近づける場所も無くなり、沼津港線への分岐がどうなっているのか把握できません。

現在、沼津駅西側に一番近づけるのはこの場所ですが、沼津港線への分岐を見ることはできません。
なお、沼津港線の分岐は、写真に写っているカーブよりも奥側だと思われますが、ちょうど右側のトラックに隠れてしまっています。






※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。

最初に沼津港線の遺構を見ることができるのは、沼津駅から500mほど西へ向かった場所です。
沼津駅を出た沼津港線は、左へカーブしながら東海道本線から分岐し、この場所で道路を横断しています(写真奥が沼津駅方面です)。
この部分には踏切があったのでしょうが、まったく痕跡は残っていません。

左側の建物は工場で、ちょうどその工場の出入口部分に線路が通っていました。
そして、出入口部分から工場内を覗いてみると・・・







※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。

レ ー ル が 残 っ て る !
数年前まではほぼそのままの状態で残っていたそうですが、近年になって少し埋められてしまったようです。
とはいえ、こうして頭の部分だけでもレールが残っているのは貴重と言えます。




道路を横断した沼津港線跡は、「蛇松緑道」という遊歩道となって続いていきます。
沼津港線のほぼ全線がこの「蛇松緑道」となっているため、この先、ほとんど沼津港線の遺構を見ることはできなくなります・・・。






「蛇松緑道」は、地元の方々の散歩などに利用されています。
なお、自動車はもちろんですが、自転車も乗車したままの走行は禁止されています。






緑道は、基本的に沼津港線の廃線跡をそのまま利用していますが、県道145号線(旧:国道1号線)を渡る部分だけは、「蛇松白銀歩道橋」によって横断しています。
これは、県道145号線の交通量が多いためです。

しかしながら、やはり歩道橋の下にも沼津港線の痕跡らしきものは見つけられませんでした。






蛇松白銀歩道橋の上から沼津港方面を見ると、沼津港線の線形が良く分かります。
沼津港線は、沼津駅を出たあとはほぼ全線に渡ってずっと左カーブが続いていました。

ちなみに、蛇松白銀歩道橋は1980(昭和55)年の竣功です。






蛇松白銀歩道橋を過ぎたあとも、蛇松緑道は続いていきます。
線路跡に沿って、ゆるやかな左カーブが続きます。
脇には植物が植えられ、市街地の中心部を歩いていることを忘れてしまいそうになります。






しばらく進むと、蛇松緑道の脇に沼津港線についての歴史などが書かれた木製の看板が設置されています。
しかし、長年の風雨によって木材が変色してしまったのか、文字が非常に読みにくいです。

また、看板の真下がゴミ収集所となっており、写真のように収集物が置いてあると看板に近づけないという・・・。

設置場所自体も、蛇松緑道の起点でも終点でもない中途半端な場所に設置されており、この看板の存在意義に疑問を感じてしまいます。






※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。

蛇松白銀歩道橋を過ぎたあとも、沼津港線は、このように何度か大きな道路を横断します。
写真の場所では、右側が沼津駅方面、左側が沼津港方面です。

やはり沼津港線の痕跡は残っていません。






蛇松緑道は、区間によって造りが異なっています。
おそらく、区間によって緑道の完成時期が異なるからだと思われます。

この場所では、人工的に池を造り、遊歩道に橋を架けています。
こうした工夫は良いことだと思うのですが、肝心の池にまったく水が流れていないという・・・。






次の区間では、中央部分に植物が植えられ、その両側が歩道となっていました。
植物の根が干渉しているのか、ところどころ路面が起伏し、非常に歩きづらかったです。

また、沿道には休憩できるようにベンチが設置されているのですが・・・






どうしてこうなったwww

まぁ、確かに座れますけど、腰掛けるのにはかなり勇気がいるような・・・。
先ほどの池といい、このベンチといい、ちゃんと管理しているのでしょうか?






2車線幅の道路を横断します。
この部分には、路面の舗装に踏切だった跡が残っているように見えます。

次の区間では、再び歩道が真ん中になります。
ただ、先ほどまでの直線的な歩道ではなく、わざと蛇行させているようです。

遊歩道に変化を持たせるためにそうしているのかもしれませんが、まるで統一感がありませんね。






そして、この先はなぜか"ぬこ"の大量生息地となりますw

1匹見たかと思えば、ほんの数メートル先にもいたり、数匹でまとまっていることも・・・。
しかも、ほとんどのぬこは近づいてもまったく逃げず、写真のように呑気に緑道のど真ん中で昼寝をしているというフリーダムさw

この先、新線と旧線が分岐するあたりまではずっとこんな感じが続きます。






幅の狭い道路を横断しますが、この部分にもわずかながら路面の舗装に踏切だった跡が残っています。

そして、次の区間ではまたしても中央に植物が植えられ、両側に歩道がある線形になりました。






※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。

交差点の真ん中を横断します。
ここで横断する広い道路は県道159号線で、沼津港線と同じく沼津港が終点となっています。
"新線"では、あとでもう一度この県道159号線を横断します。

そして、次の区間では、再び歩道が真ん中になりますw






2車線幅の道路を横断します。
なぜか、この付近のみ、緑道の歩道部分がタイル敷きになっていました。






新線と旧線の分岐点も間近となったその時、今まで直線的に続いてきた蛇松緑道が突然あらぬ方向へと曲がりました。






実は、すぐ脇に団地があるため、この付近は広場のように整備されているのです。
そのため、ここから新線と旧線の分岐点付近までは沼津港線の原型を留めていません。

写真の赤丸で囲んだ小屋の後ろから、再び沼津港線跡が姿を現します。







※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。

小屋の後ろには、すぐに新線と旧線の分岐点があります。ここまで来れば終点は近いです。
新線と旧線、どちらを先に見ますか?



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