御成橋


調査日:2008年3月23日、2009年3月17日

御成橋は、静岡県沼津市の市街地にある、狩野川に架かる橋です。
沼津駅から近い場所にあり、交通量もかなり多い橋ですが、なんと竣功は「昭和12年」! そんなすごい橋を調査してきました。





御成橋の全景です。橋の中央部分にのみアーチが組まれた少し変わった構造となっています。
現在架かっている橋は、前身だった「港橋」時代を含めると3代目にあたります。

前身の港橋は明治9年に木橋として完成しました。
大正2年には静岡県東部では初めての鉄橋として架け直され、まもなく「御成橋」と改名されました。
そして、昭和12年に交通量の変化に伴い現在の橋に架け替えられました。







写真は富士側から三島方面を向いて撮影しています。通っている道路は県道139号線で、交通量は非常に多いです。



続いて三島側から富士側を向いて撮影したものです。
車道が3車線分、歩道は両側に確保されており、昭和12年竣功の橋としてはかなり幅の広い部類に入ります。


  
銘板です。昭和12年6月竣功であることが分かります。
ちなみに、「御成橋」という名前は、沼津御用邸に向かう皇族が「御成りになる」ということから付けられたそうです。



アーチ部分です。丸く凹んでいる柱がありますが、これは太平洋戦争中に沼津大空襲を受けた跡だそうです。
このような凹みが、現在もいくつかの柱に残っています。

空襲を受けながら柱が凹む程度で済むとは、このアーチがいかに丈夫であるか分かります。



橋を下から見てみます。
最近の橋のようなスマートな印象は受けず、見るからに重厚な感じです。竣功から72年経っているとはとても思えません。



御成橋からは1ヶ所のみ、狩野川に並走する道路へ降りるための階段が設置されています。
古さからして、おそらくこの橋の竣功当時からあった物と思われます。

もともと橋の両端に2ヶ所ずつ、計4ヶ所設置されていたのでしょうが、近年の土地整備によって3ヶ所は失われてしまったようです。



御成橋を渡り終え、歩道を富士側へ向かって少し歩くと、このプレートが埋め込まれています。
現在の御成橋の大きなイラストと、右下には御成橋の説明が書かれています。

これによると、御成橋は長さ130.3m、幅員15.6mだそうです。
この説明書きには、現在の御成橋は昭和12年「7月」完成と書かれており、銘板と1ヶ月のずれがあるのが気になります。



このプレートの右下には小さな写真が記載されています。
写真についての説明はありませんが、鉄橋であることから、これは大正2年に架け直された2代目の橋だと思われます。
写真で見る限りでは、どうやら3連の曲弦トラス橋?だったようですね。

静岡県東部で最初に架けられた鉄橋の姿は、今もこうして写真で見ることができます。




今年で竣功から72年を迎える御成橋。
厳しい空襲に多少の傷跡は残ったものの、今日もしっかりと多くの交通を支えています。
その美しい形のアーチは、どんどん発展していく市街地にも決して見劣りすることなく、見事に調和しているように感じます。
そのデザインも手伝ってか、架け替えられることも、旧橋に格下げされることもなく、今でも第一線で活躍しています。
これからも、この橋にはずっとこのまま第一線で活躍してほしいものです。


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