らき☆すた小説 「ハロウィン☆サプライズ」




「え〜と・・・こなたさん?」
「ん〜?」
「これは一体どういう事でしょうか?」
「見ての通りコスプレだよ〜!」
「おいっ!」

こなたの家中に響き渡るかがみの声。事の発端は同日の昼休みに遡る ――








普段と全く変わらないまったりとした雰囲気で、4人揃って昼食を取っていた。
いつものようにネトゲーやアニメの話題を振っていたこなただが、突然「あっ!」と何かを思い出したようにかがみに話しかけた。

「今日の放課後何か用事ある?」
「ん? 別に何も無いけど。また買い物か?」


このようなやりとりは、週1回ほどのペースでこれまでも起こっていた。
だいたいこういう時はこなたがかがみに買い物を誘うので、かがみもいつもの調子で答えた。

「違うよ〜。学校が終わったら私の家に来てほしいんだよ、かがみ1人で。」
「私1人で? まぁ、別にいいけど。どうしたのよ?」
「それは来てからのお楽しみだよ。」


そう言ってまたアニメの話題をし始めるこなた。
たまにこんな感じで自宅に招かれる事もあり、その時はかがみも特に気にしなかったのだが・・・。




「待てよ・・・。あいつ、『1人で』って妙に強調してなかったか?」

放課後、こなたの家に行く途中、昼休みの事を頭の中で繰り返していたかがみが思ったことを呟く。
かがみとこなたが『友達以上の関係』になってから数ヶ月が経過していた。まだつかさやみゆきには言ってないのだけれど。


「私1人でってことは、つまりは2人きりで過ごしたいってことで・・・。まさかあんな事とか・・・こんな事・・・とか・・・・・・。」

自分で勝手に言って、勝手に顔を赤くするかがみ。
『友達以上の関係』になっても、今まで手を繋ぐくらいしかしていない。どうしても、それ以上の事を期待してしまうわけで。


そんな期待を胸に、緊張しながら呼び鈴を押したかがみの前に現れたのは、どう見てもそっち系の服を着たこなただったわけで。
冒頭の展開に繋がるわけである ――








「なんでそんな格好してるのよ・・・。」
「トリック・オア・トリート! お菓子くれなきゃイタズラしちゃうぞ、かがみん。」

こなたのこの一言でかがみは気がついた。今日は10月31日、ハロウィンだったのだ。
よく見れば、こなたが着ている黒い魔女服らしきものにはカボチャの模様が描かれているし、持っているステッキにも先端にカボチャ型の飾りがついている。

とりあえずこなたの格好については理解したかがみ。だが、まだ理解できない点があった。



「じゃあ、なんで私1人だけ呼んだのよ?」
「かがみなら絶対にお菓子持ってると思ってネ。ポッ○ーとか。」
「たったそれだけの理由かい! てっきりもっと深い意味があると思って・・・あっ。」


かがみは慌てて手で口を押さえ言葉を止めたが、すでに時遅し。
こなたの顔がみるみるうちにニヤニヤ顔に変わっていく。


「へぇ、かがみはもっと深い意味があると思ってたんだ〜。私と2人きりなシチュを想像してドキドキしちゃうかがみん萌え!」
「う、うるさいっ!」

見事に図星を突かれ、顔を真っ赤にするかがみ。
苦し紛れに「もう○ッキーあげないんだから!」と反抗するも、「じゃあイタズラしてもいいのかなぁ?」とこなたに言い返され、何も言えなくなってしまった。





「うぅ・・・、私の夜食が・・・。」
「太るよかがみん。」
「うるさい・・・。アンタこそさっきからずっと食べてて、太るわよ?」
「いや〜、さすがに昼食がチョココロネ1個だと夕飯まで持たなくてネ。」


玄関でのやりとりのあと、2人はこなたの部屋へ移動していた。
結局、かがみは持っていたポッキ○をこなたにあげてしまったわけだが。

最初は「この○ッキーおいしいねぇ〜。」などと言いながら食べていたこなただったが、しだいにかがみの視線が気になるようになってきた。
なんとも物欲しげな眼差しで、瞳をうるうるさせて見つめてくるかがみに、こなたは耐えられなくなった。


「かがみ・・・、1本食べる?」
「え、本当!?」

とたんに目をキラキラさせ、パッと明るい表情になるかがみ。
自分ではなく、お菓子にその表情向けているかがみを見て、こなたは無性に悔しくなった。
その時、ある事を思いついたこなたは、残っていた最後の1本のポッ○ーを口にくわえる。


「ちょっと、それ最後の1本じゃないの! 私にくれるんじゃなかったの?」
「食べさせてあげるから、そっちくわえてよ。」
「え・・・えぇええぇぇぇえ!!」

つまりそれは、いわゆる○ッキーゲーム状態なわけで。一瞬にしてかがみの顔が真っ赤に染まる。
こなたはかがみが予想通りのリアクションをしてくれるのが、とてもうれしかった。表情には出さず、心の中でニヤニヤする。


「そ・・・そんなのできるわけないでしょ!」
「じゃあ、最後の1本も私が食べちゃおっかな〜。」
「ちょ、ちょっと待って!」

最後の1本を食べたいという思いから、かがみはこなたに制止の言葉をかけた。
こなたは口にくわえたポッ○ーを上下に動かしながら、かがみの次の言葉を待っている。
こなたの服装も手伝ったのかもしれない。かがみにはそんなこなたの動作がとてつもなく可愛く見えて、かがみの中で何かが動いた。



「わ、分かったわよ・・・。やればいいんでしょ、やれば!」
「じゃ、じゃあ・・・私こっちくわえてるからかがみん反対側から食べていいよ〜。」

てっきりかがみは恥ずかしがって○ッキーゲームなんてできないだろうと思っていたこなたは、かがみの発言に焦った。
それでも、焦っている事がかがみにバレればバカにされるので、決して表情には出さない。



かがみがポッキ○をくわえる。そして、ポキッというポッ○ーを折る音が聴こえたかと思うと、かがみの顔が少し近付いた。
その近さに、こなたの心臓が高鳴る。


ポキッ、ポキッ・・・という音とともに、さらに近付いてくるかがみの顔。



ちょっと待って、これ以上来たら・・・! と、こなたが制止の声を掛けようとしたその時・・・





「ん!?」




唇に柔らかい感触。



反射的に目を閉じてしまったこなたは、ゆっくりと目を開ける。
そこには、視界いっぱいにかがみの顔・・・。


それは間違いなくキスなわけで。

いきなりのことでこなたは頭の中が真っ白になり、身動きひとつ取れずにいた。


かがみが唇を離す。しばらくの間、こなたとかがみの呼吸する音だけが、部屋を支配していた。




「ずるいよ・・・。」

先に口を開いたのはこなただった。さっきまでかがみが触れていた自分の唇に手を当て、顔を真っ赤にして俯いている。


「ごめん・・・。」

続いてかがみも口を開く。やはり顔を真っ赤にして俯きながら、言葉を続ける。

「でも・・・、もうそういう関係になって結構経つのに、手を繋ぐ事しかしてなかったし・・・。もう少し進みたいな・・・とか思ってて・・・。
 さっき○ッキーくわえたこなたを見てたら、その・・・なんか・・・我慢できなくなっちゃって・・・。ホントに、ごめん・・・。」


かがみの行動は、理性を失ってしまったために取ってしまったものだった。

かがみにとっては初めてのキス。今さら恥ずかしくなってしまい、それ以上言葉が出てこなくなってしまった。
初めてなのはこなたも同じで、先ほどのひと言以外ずっと黙ってしまっている。気まずい沈黙が流れる。




「ねぇ、かがみ。こっち・・・向いて。」



不意にこなたに呼ばれ、かがみが顔を上げる。


次の瞬間、かがみは唇に先ほど体験した感触と同じものを感じた。ただし、今度はされる側である。
する時よりも何倍も長い時間、かがみはこなたに唇を重ねられていた。





「これで許してあげるよ、かがみ。」


ようやく唇を離したこなたは、乱れた呼吸を交えながらかがみに言う。



「こなた・・・。」


やはり乱れた呼吸を交えながら、小さくそれだけ呟いたかがみは、先ほどのこなたのように自分の唇に手を当てて俯く。
無論、顔はさっきにも増して、これ以上ないというくらい真っ赤に染まっている。


そんなかがみを見たこなたは、呼吸を落ちつかせると、確かめるようにかがみに言う。

「大好きだよ・・・かがみ。」


そのこなたの言葉に、かがみは俯かせていた顔を上げると、こなたの瞳をまっすぐ見つめて答える。

「私もよ、こなた・・・。」




そして2人は、今度は一方的ではなく、互いの意思で唇を重ね合わせた。



というわけで、私の2作目となる「らき☆すた」小説はこれで終了です。最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございました。
今回は、こなたとかがみが付き合い始めて数ヶ月が経った設定で書いてみました。
個人的に、こなたとかがみは付き合っても次の一歩が踏み出せないのではないかと思いますw
先に行動するのはなんだかんだ言ってかがみかなぁ、と思って制作したのが今回の小説です。

なんか、後半は文字伏せの「○」ばっかりでウザかったですね・・・、本当にすみません。
小説自体は個人的に自信作なのですが、この文字伏せで台無しです。あとはキスシーンの描写もちょっと納得いかないですね・・・。


今回の小説は、単体の物語としても読めますが、実は 1作目「秘める想い、伝える想い」 から繋がる形に読む事もできます。
これは、今回初めて小説を読んだ方と1作目から読んでいる方が、どちらも楽しめるようにしたいと思ったからです。
1作目がかがみ視点だったのに対し、今回が第三者目線なのは、1つの視点からだけだと読んでいる方が飽きてしまうかな・・・と思ったからなのですがw
ただ、これだと視点が変わりすぎて逆に読みにくいのかもしれませんね・・・、すみません。

もし皆様に好評なようなら、今後もこの方式で書いていきたいと思っています。




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