調査日:2013年5月9日


国道135号線旧旧道
(網代地区)





ここまで、現道(赤ライン)、旧道(青ライン)と調査してきました。
(先に 現道区間の調査 、および 旧道区間の調査 をお読みいただくことをオススメします)

最後に、現道の立岩トンネルと旧道の網代隧道にあたる旧旧道(緑ライン)を調査します。
昭和7年に網代隧道が開通するまで現役だったと思われますが、旧道化してからだいぶ時間が経過しており、状態は悪そうです。
この地図では、旧旧道上に灯台のマークがあるのですが、はたして・・・。

地図の上側(小田原側)から入っていきます。


地図は国土地理院の電子地形図を使用







※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。

旧道の「網代隧道」、小田原側坑口です。
昭和7年6月の竣功となっています。

旧旧道は、隧道の手前で左へ分かれます。







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旧道との分岐地点です。
特に立ち入りを禁止するようなものはありませんが、非常に荒れています。

旧道ですらほとんど使用されていないので、旧旧道ともなればよほどの物好きでない限りは入らないでしょう。






旧旧道に入ったはよいものの、すぐに現道の「立岩トンネル」へ向けて登り始めました。
なんかおかしくね・・・?







※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。

そして、立岩トンネルの小田原側坑口に突き当たると、現道に吸収されて途切れました。
しかも、ガードレールで閉鎖されており、出入りすることができません(徒歩なら下を潜るか上を跨げば・・・)。

これは明らかに旧旧道ではなく、おそらく現道を建設した際の工事用道路だったのではないかと思います。
では、一体旧旧道はどこにいってしまったのかといえば・・・。







※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。

なんと左側の植物が生い茂っている場所・・・。
ただし、現道を建設した際に地形が改変されたようで、立ち入ることが難しくなっています。

実は、現道側からも入ることができるので、そちらからアクセスすることにします。






※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。

現道の「立岩トンネル」小田原側坑口です。
2005年に竣功したまだ新しいトンネルです。

このトンネルの脇から、旧道へのアクセス道路が分岐しています。
ただし、申し訳程度の出入口しか無く、普通に自動車を運転しているとほぼ気づかないと思います。






やはり立ち入る人は皆無なのか、入口からすでにかなり荒れています。






少し進むと、バリケードが現れました。
ただし、立入禁止などの表示も無ければ、右と上もガラ空きですがw





バリケードを過ぎると、さらに状態は悪化していきます。
まだ人が歩ける場所はありますが、左右は背の高い植物に囲まれ、非常に視界が悪いです。






しかし、次第に植物の浸食が・・・。
手で枝や葉を払いのけ、時には屈んだりしながら進みます。

網代隧道が開通した昭和7年に旧道化したことから考えると、妥当な植物の多さかもしれません。






しばらく進むと、少し視界が開けてきました。

遠くに建物が見えてきました。地図に載っていた灯台関連の建物でしょうか?
また、近くには真新しい電柱も見えます。

しかし・・・







※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。

突然の土砂崩れによって旧旧道が寸断されてしまっています。
土砂の色からして、まだ新しい崩落のようです。
旧旧道自体はまだ先に続いているようですが、これは越えることができないと判断しました。

反対側からアプローチすることにします。






※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。

寸断されていた所から海のほうを見渡すと、非常に美しい光景が広がっていました。
トンネルで抜けてしまっている現道からは絶対に見ることのできない景色です。

海上に出っ張っている岩は、先ほどの地図にも表記されている「屏風岩」だと思われます。
だとすると、このあたりに灯台も無いとおかしいのですが・・・。







※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。

旧道の網代隧道の下田側坑口です。
旧旧道は矢印のように合流していますが、こちらも現道の開通により地形が改変されており、さらに住宅の駐車場として転用されているようで、ここから入ることはできません。







※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。

というわけで、例のごとく現道から入ることにします。

立岩トンネルの下田側坑口です。
先ほどの小田原側坑口よりはいくらか分かりやすい分岐になっています。
歩道にも切れ込みが入っており、一応自動車も乗り入れられるようになっています。






こちら側は、特にバリケードなども無く、普通に入ることができます。
また、わずかに自動車の轍も残っており、小田原側と比較すると状態が良いです。





しかし、進むにつれてだんだんと轍が薄くなっていきます。

この場所は、他の場所よりも少し広くなっており、軽自動車同士ならすれ違えるくらいの幅があります。






あぁ、やっぱり・・・。
まだかろうじて人が通れるくらいの幅は残されていますが・・・。

調査したのが5月だったからまだこの程度でしたが、おそらく夏季は通れないのではないでしょうか?






そのまま進むと、次第に植物の勢いが衰え、前方に何やら建造物が見えてきました。







※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。

さらに、建物の先には真新しい電柱と崩落地が・・・。
ということは、この建物、先ほど小田原側から旧旧道を入ってきた時に土砂崩れの手前で見たものと同じもので間違いないようです。

この小屋、明らかに旧旧道に干渉する位置にあり、旧旧道が廃止されたあとに建設されたもののようです。
一体何のために建っているのでしょうか?






小屋を過ぎると、その先はすぐに崩落地となります。
これで、この崩落地以外は旧旧道をすべて辿ったことになりますが、結局灯台は見つかりませんでした。

調べたところによると、灯台は確かに存在していたようですが、数年前に廃止となり、解体されたようです。
そして、建っていた場所というのがこの崩落地とほぼ同じ場所のようで、もしかするとこの崩落は意図的なものである可能性があります。
灯台を解体した時には、きっと何十年振りかにこの旧旧道を自動車が行き交ったのでしょう。






旧道に加え、旧旧道まであるこの区間。
駅から歩いて訪れることのできる場所であり、距離も短いため、気軽に探索できそうです。
ただし、旧旧道については、植物の葉が落ちる冬季の探索をおすすめします。



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