調査日:2012年12月1日、公開日:2022年1月30日


諏訪橋
(静岡市)



静岡県静岡市の蒲原地区に古く、かつ特徴的な立地の橋を見つけたので、調査してきました。


その橋は、JR東海道本線の新蒲原駅から歩いて行くことができます。

左の地図で斜めに横断している線路がJR東海道本線で、右(東)側が東京方面、左(西)側が名古屋方面となります。
地図の中央左側ある駅が新蒲原駅です。
JR東海道本線に並走している黄ラインの道路は県道396号線で、旧国道1号線となります。
そして、そのさらに上(北)側を並走している道路がありますが、これが東海道です。

その東海道の右上(北東)、赤く塗っている部分に、今回紹介する橋が架かっています。


それでは、地図の北東方向から南西方向へ向かってレポートしていきます。


地図は国土地理院の電子地形図を使用







※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。


周辺に住宅が建ち並ぶ1車線幅の道路。
路面の特殊な舗装と、時々設置されている案内板で東海道であることが分かりますが、普通に走っているだけでは一般の道路と変わりません。






蒲原宿の案内板を通り過ぎてすぐ架かっているのが、今回紹介する橋です。




このくらいの規模の橋であれば、一般的には親柱があるのですが、この橋には親柱がありません。
欄干の裾部分の厚みを増すことで親柱の代わりとしているようで、銘板もその部分に設置されています。





  
銘板です。
合計4枚設置されており、うち2枚は「諏訪橋」と橋名が右書きで刻まれています。
ただし、この2枚をよく見比べてみると、微妙に書体が異なっており、複製したものではないことが分かります。
(左側の銘板の文字は払いの部分も丸みを帯びているとなっているのに対し、右側の銘板の文字は払いの部分をしっかりと払っている)




  
残り2枚は竣功年月となっていますが、1941(昭和16)年7月と、かなりの古参でした。
銘板が右書きとなっていることからも、ある程度古い橋であるとは予想していましたが、さすがは東海道といったところでしょうか。

そして、やはり橋名の銘板と同様、微妙に書体が異なっています。
(左側の銘板の文字は払いの部分も丸みを帯びているとなっているのに対し、右側の銘板の文字は払いの部分をしっかりと払っている)





欄干は、中央部分で接合点がズレていることから、中央に橋脚がある2径間であることが分かります。
現代の橋であれば1跨ぎにできそうな長さ(全国Q地図によると22.2m)ですが、昭和初期となるとそうはいきません。

というわけで、橋脚を見るために側面から写真を撮影してみましょう。






!?

前出の写真で気づいていた方もいらっしゃるかもしれませんが、この諏訪橋は、川を横断しているわけではありません。
中央の橋脚を挟んで、左右に太い管が2本ずつ通っており、かなりの傾斜で背後の山に伸びています。

かなりのインパクトがありますが、一体これは何なのでしょうか。






答えは、諏訪橋のすぐ脇にある公園に設置されていた案内地図が教えてくれました。

実は、今回のレポート写真には写っていませんが、付近には日本軽金属の蒲原製造所があり、その水力発電用の鉄管路がこの場所を通っているのです。
発電所は1943(昭和18)年から運用されていることから、竣功年月から考えて、この諏訪橋も発電所の建設に合わせて造られたと思われます。






珍しい立地で長年活躍を続けている諏訪橋。
むしろ、通常の河川であれば、護岸工事などで架け替えられてしまうところですが、こういった条件下だからこそ今も残り続けているのかもしれません。



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