調査日:2021年3月6日、公開日:2021年8月20日


萩間橋
(掛川市)



静岡県掛川市に、まもなく役目を終えようとしている橋があります。


目標物が少ないため、まずは広域の地図でおおまかな場所を確認します。
その橋は、左上の丸で囲んだ部分(萩間地区)にあります。
丸で囲んだ部分を南北(上下)に通過している黄ラインの道路は静岡県道39号「掛川川根線」です。
中央やや南側を東西(左右)に通過している緑ラインの道は新東名高速道路となっています。
目標物としては、新東名高速道路の「掛川パーキングエリア」がありますが、そこからでもかなり距離があります。


地図は国土地理院の電子地形図を使用







続いて、丸で囲んだ部分(萩間地区)を拡大した地図です。
中央の赤ラインの部分に橋があります。
橋を含む黄ラインの道路が静岡県道39号線となっており、県道に架かる橋となります。

それでは、地図の南(下)側から北(上)側へ向かってレポートしていきます。


地図は国土地理院の電子地形図を使用






市街地を離れ、山間の雰囲気の中を通る静岡県道39号線。
このあたりはセンターラインはないものの、普通車であればすれ違いができる程度の幅となっています。
また、交通量もあまり多くはありませんが、絶賛拡幅工事中のようです。






工事現場には、ショベルカー兼ブルドーザーのような車両が停車中でしたが、この日は土曜ということもあってか、工事は行われていませんでした。

そして、ゆるやかなカーブの先に、紹介する橋が見えてきました。







造り自体はしっかりとしているように見えますが、南側に山があり日当たりが悪いためか全体的に苔に覆われ、くたびれた印象を受けます。
幅は、前後の県道と同じくらいで、普通車同士であればすれ違える程度となっています。





親柱です。
装飾などは無いシンプルな造りとなっていますが、やはり苔に覆われているために味わいがあるように感じます。






4本ある親柱には、それぞれ銘板が設置されており、うち2枚は「萩間橋」と漢字で橋名が刻まれていました。
萩間地区に架かっているので、至ってまっとうな名前といえます。






残り2枚は竣功年月となっており、1955(昭和30)年3月竣功と65年以上活躍していました。

銘板が4枚設置されている場合、漢字橋名・かな橋名が1枚ずつ、残り2枚が竣功年月、もしくは1枚が竣功年月、もう1枚が河川名のパターンが多いと思うのですが、萩間橋の場合は漢字橋名が2枚、竣功年月が2枚と、やや珍しいパターンとなっています。
この場合、何が問題かといいますと、橋名の読み方が不明になってしまう点があります。
この萩間橋の場合は、ほぼ「はぎま"ば"し」もしくは「はぎま"は"し」のどちらかで確定だと思われるので良いのですが、古い橋の場合は難読な読み方をする場合も多く、困ってしまいます。






反対側です。
先ほどは気づきませんでしたが、途中で欄干が曲がっているのが分かります。

現代であれば、全体が緩やかなカーブとなっている橋を建設することができますが、この世代の橋は技術的に桁を直線でしか建設できないため、橋脚を境として桁の向きを変えることで対応しています。
そのため、線形が歪になってしまい、結果としてボトルネックとなってしまっている場合もあります。






そして、先ほどからチラチラと見切れているので、すでにお気づきの方もいらっしゃると思いますが、すぐ隣には新橋が建設されています。
取材には、橋のみが完成している状態でしたが、逆に普段は路面に埋もれて見ることができない断面を間近で見ることができました。

萩間橋と比較すると、その規模の差は一目瞭然です。
また、近年増加している水害への対策のためか、数メートル嵩上げされています。






新橋は、反対側から路盤部分に立つことができたので、少しお邪魔しました(立ち入り禁止とも書いてないし・・・)。
まだアスファルトが敷かれていないため、コンクリートの白さが目立ちます。
歩道が有無次第となりますが、センターラインが引ける程度の幅は確保できそうです。
まぁ、私が撮影している間、車は通過しても歩行者はまったくいなかったので、歩道は不要だと思いますが・・・。






新橋には、すでに銘板が設置されており、橋名は現橋と同名の「萩間橋」となっていました。
一般的に、新たに橋を架ける場合は、既存の橋との混同を避けるために「新○○橋」や、「○○新橋」、「○○大橋」のような橋名になることが多いです。
特に、この萩間橋のように至近距離にある場合は管理上区別が必須となるはずですが、それを行わないということは、新橋の開通と同時に現橋は廃止される可能性が高いです。
まして、現橋がすでに65歳となっていることを考えると、現橋は残念ながら撤去されてしまうと思われます。






もう1枚、竣功年月が刻まれている銘板がありましたが、2020(令和2)年3月完成となっていました。
銘板や欄干が非常に綺麗なので、てっきりつい先日竣功したばかりだと思っていましたが、取材した時点ですでに1年が経過していました。
新橋の竣功から1年で未だに前後の取り付け道路が完成していないところを見ると、工事の進捗は非常に遅いと思わざるを得ません。
まさか銘板の竣功年を1年間違えているなんてことはありませんよね・・・?

余談ですが、初めて「令和」生まれの橋を見ました。






偶然にも新旧交代まっただ中を取材することとなった萩間橋。
安全のためには架け替えは仕方がないことではありますが、素っ気ない橋に変わってしまうのは寂しいものがあります。
それでも、完全に姿を消す前に訪れることができて良かったです。



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