多比第二隧道とその旧隧道



調査日:2008年3月23日



多比第二隧道は、静岡県沼津市の国道414号線に存在するトンネルです。ちなみに多比は「たび」と読み、難読です。

国道414号線は、古くから伊豆へのアクセス道路として栄え、場所によっては道路の付け替えも行われました。
この多比第二隧道もそのうちのひとつで、旧隧道が存在しています。
しかし、旧隧道自体は存在しているものの、現在では自動車の通り抜けができなくなってしまっているのです。

なぜ自動車の通り抜けができないのか、このレポートでお送りします。


私の手描きの図で申し訳ありませんが、隧道周辺の位置関係はこのようになっています。

黒いラインが現道の国道414号線および周辺道路、オレンジのラインが旧道となります。
図を見てみると、旧隧道の伊豆長岡より坑口が多比第二隧道に吸収される形になっていますが、これは私のミスではありませんw
この謎はレポートを読んでいくと分かります。


このレポートでは、現在国道414号線として使用されている多比第二隧道から紹介していきます。






写真は沼津市街側から内浦側を向いて撮影しています。
この先、特に表記が無い限り、国道414号線の写真は内浦側を向いて撮影したものです。

旧道との分岐点です。
追い越し禁止のセンターラインがある道が国道414号線、信号のある交差点で左に分かれる細い道が旧道となります。

なお、手前から国道414号線に合流している道も旧道で、この区間ではわずか数メートルで現道と別れます。


このまま現道を進んでいきます。













すぐに多比第二隧道が現れます。沼津市街側坑口です。
昭和39年竣功、延長216m、幅6m、高さ4,5mとなっており、それなりに歴史のある隧道です。

一般的なコンクリート製となっていますが、歩道は無く、車道も2車線ギリギリの幅しかありません。国道の隧道にしては小さい気がします。

隧道右に設置されている看板には「多比第二トンネル」と書かれていますが、扁額から「多比第二隧道」が正しいようです。



※この写真は、伊豆長岡側から沼津市街側を向いて撮影したものです。

続いて、伊豆長岡側坑口です。
先ほどの沼津市街側坑口とはかけ離れた形状になっています。おそらく近年になって改修されたのでしょう。
それにしても、明らかに沼津側坑口とは幅が異なります。車道は3車線分の幅があり、歩道まで付いています。

沼津側坑口には無かった歩道が、伊豆長岡側坑口にはある。一体どういうことなのでしょうか?



※この写真は、内浦側から沼津市街側を向いて撮影したものです。

伊豆長岡側坑口から多比第二隧道に入ること数メートル・・・。なんと内部で隧道が分岐しているではありませんか!
幅からして、左側の車道の隧道が多比第二隧道であることは間違いありません。

となると、右側の隧道こそが旧隧道なのです。
多比第二隧道が狭く、歩道が無いがために、旧隧道は歩道用として改造されてしまっていたのです。

2本の隧道を1つにまとめているのですから、坑口も大きくなるわけです。
沼津市街側坑口と大きく異なる坑口も、2本の隧道を1本にまとめた際に付け足したからと考えれば自然です。




旧隧道内から多比第二隧道との合流地点を見ると、こんな光景になります。
隧道を出ても隧道が続いていく光景は、不思議な気持ちになります。

それにしても、見通しが悪いですね・・・。
一応カーブミラーは設置されていますが、暗いですし危険だと思います。


旧隧道の内部は、コンクリートに固められています。
元々の隧道の姿ではなく、近年になって改修を受けてこうなったのでしょう。














旧隧道、沼津市街側坑口です。
坑口付近も改修を受けており、元の姿を留めていないようです。

手前には車止めが設置されており、自動車の通り抜けは完全にできなくなっています。






両端でまったく異なる坑口を持つ多比第二隧道と、歩行者の安全を確保するために自動車の通り抜けを禁じてしまった旧隧道。
旧隧道と現隧道の片側の坑口のみを1つにまとめるという、珍しい改修を受けたこの隧道を訪れてみてはいかがでしょうか?



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