やがて君になる小説 「発覚」






「先輩、この写真どうしたんですか?」

そう言う侑の視線はとても冷たい。
私は、侑を部屋に入れたことを後悔した。

――

「私も先輩の家に行ってみたいんですけど。」

それは、いつもどおり侑と2人で帰っているときのこと。
踏切を渡り、別れる交差点が近づいてきたころだった。

「無理無理、私の部屋散らかってるから・・・。」

侑のいきなりの発言に驚いた私は、混乱してしまい、そう答えるのが精一杯だった。

「私の家にはよく来るじゃないですか、ズルいです。」
「だって侑の家は本屋でしょ。私は普通の家だし・・・。」

侑は、私に1歩近づくと、見上げるように視線を合わせてくる。
その表情は反則だ、かわいすぎる・・・。

「1回行ってみたいなぁ、先輩の家。」
「でもなぁ・・・。」

侑も、こうすると私がうろたえるのを分かっているらしく、私に何かお願いごとをするときに最近よくこの手を使うようになった。

「そしたら、休日も先輩に会いに行けるのになぁ・・・。」

そして、極めつけのこの一言。
恥ずかしげもなくそんなことを言ってくるものだから、たまったものではない。

「もう、そういうこと言うのズルい!」

当然、断れるわけもなく、私は侑を家に連れてくることになった。

――

「これ、いつ撮った写真ですか?」

そのアルバムは、私が侑の写真を綴じたものだ。
学校帰りに一緒に撮影した写真やプリクラなど、侑との思い出が詰まっている。
でも、一部の写真は、侑の承諾を得ずに撮影した”盗撮”と言われてもおかしくないものもあった。

「侑、これは違うの・・・。」
「先輩、正直に話さないと、先輩のこと嫌いになりますよ。」

とっさに言い訳を考えようとしたが、侑のその一言で私は観念した。

「ごめんなさい。」
「どうしてこんな写真撮ったんですか?」

そう言う侑は、本気で怒っている風ではなくて、そんな侑に甘えてしまう私がいる。

「だって侑、どんな仕草もかわいいんだもん。全部写真に収めたくなっちゃうよ・・・。」
「先輩、どんだけ私のこと好きなんですか。」

やっぱり侑は優しい。

「でも、今後は無断での撮影は禁止です。ずっとそばにいてあげますから、これからは写真なんか撮らずに直接私のことを見てください。」

すぐ、そういうこと言うんだから。
侑のこと、どんどん好きになっちゃうよ・・・。

「めっちゃ恥ずかしいこと言ったんで今のやっぱナシで・・・。」
「侑大好き!」
「もう、調子良いんですから。」

思わず私は侑に抱きついてしまった。
でも、侑もまんざらでもない様子で、その表情がまた、かわいいと思ってしまった。

「まぁ、先輩の”変態”は今に始まったことではありませんし、もう慣れました。」
「変態じゃないもん・・・。」




最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ついに書いてしまいました「やがて君になる」小説。
2018年10月のアニメ放送開始以来、私は完全にこの作品にハマってしまいました。
原作はもちろん、ブルーレイも全巻購入、舞台公演やファンイベントにも参加するほどで、ここまでハマった作品は「桜Trick」以来かもしれません。
「燈子×侑」尊い・・・。

本編がシリアスよりなので、今回はギャグ方面に書いてみました。
とはいえ、まだ現時点では原作が完結していないので、あまり下手なことも書けず、意外に苦労しました。
シチュエーション自体は、「やがて君になる」以外の作品でも通用する極めてありがちなものですがw
いろいろとおかしな点も多いと思いますが、初作品なので許してください・・・。

今後も、「やがて君になる」小説は書いていきたいと思っています。



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