ゆるゆり小説 「日常」




「ラムレーズンうめえ!」

後ろから聴き慣れた・・・というよりは、すでに聴き飽きた声がする。

「そうか、よかったな。」

私は棒読みでさも興味が無いかのように返事をする。
それもそのはず、もう5日連続で京子が私の家に遊びに来ているのだ。いい加減返事のストックも切れてしまう。

「もー、冷たいぞー、結衣。」

私の気を知ってか知らずか、笑いながら京子は言ってくる。
私の口からは、無意識にため息が出た。


「・・・・・・。」


京子が本格的にラムレーズンアイスを食べ始め、沈黙が流れる。
私はキッチンへ向かい、昼食で使った食器を洗うことにした。



「ねぇ、結衣。」


京子に呼ばれ、食器を洗っていた手を休める。
振り向くと、京子は食べかけのラムレーズンアイスを持ったまま私を見つめていた。

「どうしたんだ?」

不思議に思った私は京子に言う。
すると、京子の表情が変わった。昔はよく見た、泣き虫になる時の顔だ。


「もしかして迷惑・・・かな? 最近、毎日のように来ちゃってるし・・・。」

京子は変なところで繊細だ。
こんなの、今さらのことなのに・・・。

「確かに、いきなり来られると少し困るけど、迷惑だなんて思ってないよ。」

・・・たまに迷惑なときもあるけど、そんなの今の京子に言えるわけがない。

「ホントに?」

「ホント。ひとり暮らしは寂しいから、京子が来てくれて嬉しいよ。」

恥ずかしいけど、京子を安心させてあげたいから、自分の正直な気持ちを言った。
すると、さっきまでの泣きそうな顔はどこへやら、京子はニヤニヤしながら訊いてきた。

「あれ、デレた?」

人の気も知らないで・・・。
私はうっさいとだけ言って再び食器を洗い始めようとした。


「ありがと、結衣。」

後ろから掛けられた京子のその一言で、私の顔は笑顔になってしまった。
と同時に、京子への仕返しを思いついた。

「あれ、デレた?」

「う・・・うっさい。」

さっきの私と同じ反応をする京子に、思わず笑ってしまった。
そういえば・・・

「京子、ラムレーズン溶けるぞ?」

「ああああああああ!」


最後まで小説をお読みいただき、ありがとうございました。

初めて書いた「ゆるゆり」小説でしたが、いかがでしたでしょうか?
初めてということで、ゆるゆりの中でも私が好きな「船見結衣と歳納京子」の2人をメインに書きました。
個人的にはもう少し百合分の濃い作品を書くつもりだったのですが、気づいたら2人の日常風景みたいになってましたw
でも、これはこれで「ゆるゆり」っぽい感じだと思ったのでそのまま完成させました。
なのでタイトルは「日常」です。

「ゆるゆり」は"ほのぼのな百合"という本当に私の好みのど真ん中を突いた作品です。
今回書いた2人以外のキャラクターも好きですし、時間があればどんどん「ゆるゆり」の小説を書いていきたいと思います。


ご意見・ご感想をお待ちしております。



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