ゆるゆり小説 「告白は突然に」





「じゃーなー、結衣!」

楽しかったー。
明日も学校帰りに結衣ん家行こうっと。


「あ、結衣ん家にケータイ忘れちゃった。」

うーむ・・・、面倒くさいなぁ。
歯ブラシやパジャマだったら次に遊びに行った時にでも取りに行けば良いけど、ケータイだからなぁ・・・。

「しょうがない、取りに戻るか!」

でも、ただ取りに戻るのはつまんないし・・・。

「そうだ! こっそり行って結衣を驚かせてやろう。」


できる限り音を立てないようにっと・・・。

よし、結衣の家に入ったぞ。
さてさて、結衣は何処にいるかなっと・・・。


「・・・こ。」

お、こっちから結衣の声が聴こえたぞ。

「きょ・・・こ。」

お、いたいた。
それにしても、さっきから何を言ってるんだ?

「京子・・・。」

私の名前!?
でも、私がここにいるのはバレてなさそうだし・・・。
というか、結衣の奴、私が使った布団に寝転んで何してるんだ?

「京子の・・・匂い・・・。」

!?
な・・・ななな、何言ってんだよ! 恥ずかしいだろ!!

「どうして帰っちゃうんだよ。もっと一緒にいたいよ、京子・・・。」

そういうのは本人に直接言おうよ! 直接言われると私が照れるけどなっ!
でも、結衣って私が思っている以上に寂しがり屋なのかも・・・。


「やっぱり私、京子のことが好きなんだ・・・。」

へ!?
今の、聴き間違いじゃないよね? 私のことが好きって!?

どうしよう、驚かすどころじゃなくなっちゃった・・・。
とりあえず、今はここを離れないと・・・


― チャリン!


しまった! ポケットに入れてた小銭が落ちて・・・


「誰!?」

これはもう逃げられないよね・・・。素直に出ていくしかないか。


「私だよ私。」
「きょう・・・こ・・・。どうして・・・。」
「いやぁ、結衣ん家にケータイ忘れちゃってさ。」

正直に、全部話そう・・・。

「それで、せっかくなら結衣を驚かせてやろうと思って、そっと忍びこんでたの・・・。」
「聴いちゃった・・・よね・・・。」

うん・・・、聴いちゃったよ・・・。

「そんなつもりじゃ無かったんだけど、ゴメンね・・・、結衣。」
「・・・。」


どうしよう・・・、気まずくて結衣の顔を見れないよ・・・。
でも、怒ってるよね・・・。私が勝手に忍びこまなければ、こんなことには――


「ごめんなさいっ!」


え? 何言ってるの、ゆ・・・い・・・!?
どうして・・・どうして結衣、泣いてるの?

「どうして結衣が謝るの・・・?」

「私・・・、京子が帰ったあと、いつもさっきみたいなこと・・・してたんだよ。」

―― 京子の・・・匂い・・・ ――

「どうしようもない変態なんだよ・・・、私は・・・。」

―― どうして帰っちゃうんだよ。もっと一緒にいたいよ、京子・・・ ――

「同性の幼馴染を好きになるなんてっ!」

―― やっぱり私、京子のことが好きなんだ・・・ ――

「気持ち悪い姿見せて・・・、本当に・・・ごめん・・・なさい・・・。」


どうして、気持ち悪いことだって決めつけるのさ・・・。
カッコイイ顔が涙でグシャグシャじゃんか。しょうがないから、私の胸、貸してあげるね。

「きょう・・・こ・・・?」
「確かに、最初見た時は驚いたけど・・・私、すごく嬉しかったんだよ?」
「え・・・?」
「結衣が、私のことをこんなにも想ってくれてるって分かったからさ。」
「それって・・・。」


う・・・、いざ言うとなるとやっぱり恥ずかしいな・・・。
冗談で日常的に好き好き言ってるけど、それとは訳が違うし・・・。
でも、今を逃すと一生言えなくなっちゃいそうだから、がんばらないと。

よし!


「私も・・・結衣のこと、好きだよ。」

冗談じゃない私の本当の気持ち、結衣に伝わったかな。


「きょうこぉ・・・きょうこぉ!!」
「あーもー、泣くなよ結衣〜。」

こんなに泣く結衣を見たのは初めてかもしれないな。
でも、結衣に私の気持ちが届いて良かったよ。

安心したら、なんか私も泣けて・・・きちゃった・・・な・・・。


――


「落ちついた?」
「・・・うん。」

おかしいなぁ。
さっきまで私が結衣を慰めてたはずなのに、なんでいつの間にか私が慰められてるわけ?
なんか悔しい。こうなったら・・・

「ねぇ、結衣。」
「ん?」
「これから毎週末、デートね!」
「えっ?」
「あったりまえじゃん! これからたくさん結衣と2人きりの思い出を作っていこうね!!」
「い・・・いきなり毎週末デートとか、2人きりの思い出とか、恥ずかしいこと言うなよ・・・。」

よっしゃ、結衣のデレ顔ゲット!
絶対に結衣には主導権を握らせないんだからねっ。




「そういえばさ、なんで私に匂い嗅いでるの見られた時、あんなに動揺してたの?」
「なんでって、おまえなぁ・・・。」
「布団の匂い嗅ぐぐらい、別に気にしないのに。私だっていつも結衣の匂い嗅いでるじゃん。」
「私が気にするんだよっ! いつも京子に嗅がれるたびに、変な匂いしないか気になって仕方がないんだからな。」
「大丈夫、結衣はいつも私が一番落ち着く良い匂いだよっ!」
「そ、そうか・・・。ありがと・・・。」

あれ、そこは「何言ってんだよバカ」とかツッコむべきところじゃないの?
素直に喜ばれたら私まで恥ずかしくなってきちゃったじゃん・・・。
もう、結衣のせいだー!


「結衣のバカ。」
「え、なんで!?」



最後まで小説をお読みいただき、ありがとうございました。

気づけば「ゆるゆり」小説もこれで3作品目となり、やはり私はゆるゆりが好きなのだと再認識しました。
今回は、どちらかといえば"ゆるゆり"ではなく"がちゆり"な作品となりました。

ゆるゆりの中でも、「歳納京子×船見結衣」は私が大好きなカップリングで、書いていてとても楽しかったです。
以前にもこの2人で小説を書いたのですが、その時は結衣視点だったので、今回は京子視点にしました。
例によって、タイトルに苦戦しましたが・・・。


アニメ「ゆるゆり♪♪」も放送終了目前ですが、まだまだ私のゆるゆり熱は冷めそうにありませんw


ご意見・ご感想をお待ちしております。



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