ゆゆ式小説 「オカピ」






「オカピ。」
「は?」

おそらく、アタシのこの返しは間違っていないだろう。
なんの前触れもなく、いきなり意味不明な呪文のようなものを言われれば、誰だってこんな反応をするに決まってる。

「オカピ。」
「なんだお前、ついに頭おかしくなったのか?」

長谷川の頭がおかしいのはいつものことだが、今日はさらに重症化しているようだ。

「いや、昨日見たテレビでさ、オカピっていう名前の動物が出てきたから。」
「で?」
「言葉の響きが佳と似てるなって思って、だから呼んでみた。」

一瞬、長谷川が何を言っているのか分からなかったが、すぐに理解した。

「全然似てねぇし、その呼び方してるの相川だけだし。」
「おかちー。」

謀ったかのようなタイミングで相川が出てきた。
これは話が大きくなりそうだ。

「違うよ千穂、オカピだよ。」
「オカピ?」

案の定、すぐに長谷川がイジリだした。

「オカピって何?」
「動物。」
「動物・・・?」
「そう、これ。」

そう言うと、長谷川はポケットからスマホを取り出し、画像を表示させた。

「うわぁ、かわくねぇ・・・。」
「まさに佳って感じだよね。」
「どういう意味だオイ。」

別にアタシは自分がかわいいとか思ってるわけじゃないけど、コイツはいちいち言葉が余計だ。

「ロバとシマウマを合体させたみたいで、私はかわいいと思うけどな。」
「千穂、センス悪い。」
「そうかなぁ。」

正直、アタシも相川のセンスはどうかと思うが、かわいいと言われて少し嬉しく思ってしまった。
自分のことではないのに、アタシも単純な性格である。

「じゃあ今度から『オカピ』って呼んであげたら?」
「そうしよっかなぁ。」

でも、それとこれとは話が別。
アタシは全力で否定した。

「却下!」



最後までお読みいただき、ありがとうございました。
気づけばゆゆ式小説も5作目となり、意外と書いているなぁ・・・という印象です。
これまでは「単発小説部屋」に入れていましたが、これを期に「ゆゆ式小説部屋」に独立しました。
今後、増える見込みはありませんが・・・。

ちなみに、今回のオカピネタですが、以前、テレビ番組でオカピが登場してきたのを見て「これだ!」と思いました。
こんな些細なネタでも、1つの小説が作れてしまうんですから、ゆゆ式は偉大ですね!(は?

ご意見・ご感想をお待ちしております。



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