調査日:2015年2月23日、公開日:2022年4月1日


静岡県道17号線旧道(井田トンネル)
(沼津市)




静岡県道17号線は、沼津市口野を起点とし、伊豆市土肥までを結ぶ道路です。
駿河湾沿いを走る場所が多く景色に富んでいますが、幅の狭い個所があり、未だにすれ違いに難儀する場所もあります。

県道17号線は古くから存在しており、各所に旧道が見られます。
今回は、その中でも井田地区の旧道を紹介します。

目標物が少ないため、まずは広域の地図でおおまかな場所を確認します。
地図に写っている全範囲が沼津市で、上(北)側が市街地方面、下(南)側が伊豆市方面となります。
右上から下に向かって蛇行しながら続いている黄色いラインが県道17号線で、左下の赤いラインを引いた部分が旧道です。
岬のように突き出ている場所は「大瀬崎」といい、ダイビングなどで有名です。
そして、まわりを囲んでいる海は駿河湾となります。


地図は国土地理院の電子地形図を使用







旧道付近を拡大した地図です。
地図の中央部分、赤いラインの部分が旧道となります。
井田トンネルで通過する現道に対し、旧道は地形をなぞるようにカーブを描いているのが分かります。

地図上では、今も道路として描かれていますが、実態はいかに・・・。
基本的に、地図の上(北側)から下(南側)へ向かってレポートしていきます。

まずは、現道の様子を見ていきます。


地図は国土地理院の電子地形図を使用







※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。


未だにセンターラインの無い区間もある県道17号線ですが、このあたりは歩道こそ無いものの2車線幅となっています。
道路標識のアームだけが残されていますが、これはこの場所が市村の境界だった頃の名残です。
2005(平成17)年までは、手前が沼津市、奥が戸田村となっており、このアームにはカントリーサインが設置されていたと思われます。
現在、戸田村は沼津市と合併したため、境界ではなくなっています。





元境界を過ぎると、橋に差し掛かります。
路面を見ると、センターラインよりも奥側のみにジョイントが刻まれているので、桟橋のようです。

緩やかな左カーブの先には、トンネルが見えます。
このトンネルが、地図にも記載がある井田トンネルです。





  
桟橋のため、銘板も2枚のみの設置となっており、1枚は「門山1号橋」という橋名が刻まれていました。
残り1枚は竣功年月で1989(平成元)年3月竣工となっていました。
井田トンネルと同時期に建設されたと思われます。






※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。


そろそろ門山1号橋を渡り終えようとするところで、路面に斜め右方向に矢印が刻まれていた跡が残っていました。
現在は、矢印の方向はガードレールが設置されていますが、かつての旧道はこの方向に進んでいました。
つまり、旧道時代の名残ということになります。






※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。


門山1号橋を渡り終えると、現道は井田トンネルに入っていきます。
そして、そのすぐ脇には旧道への分岐があります。
「ようこそ戸田」という大きな看板でカモフラージュされていますが、王道すぎる分岐シチュエーションでバレバレですw






※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。


井田トンネルには、坑口直上に扁額、坑口左側に銘板がそれぞれ設置されています。
扁額はトンネル名が刻まれたシンプルなもので、竣功年月は銘板に刻まれています。
竣功年月は1993(平成5)年3月となっており、先ほどの門山1号橋よりも4年のブランクがあります。
先ほど路面に刻まれていた旧道への矢印を見ても、門山1号橋の竣功後、井田トンネルが開通するまでは、旧道に接続していた可能性が高いです。






※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。


井田トンネルに入ります。
やや狭いながら、両側には歩道も設置されています。
天井には、「急カーブ」・「速度落せ」と表示されるLED掲示板が設置されていました。





しばらくの直線のあと、後半は緩やかな右カーブとなります。
注意を促すためか側壁には誘導灯が設置されていますが、設置されている位置が低いため歩道を歩いていると頭が当たってしまいそうで怖いですw






延長406mの井田トンネルを抜けます。
県道17号線は、この井田トンネルが1つのピークとなっており、この先はしばらく下りが続きます。







※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。


井田トンネルの伊豆市側坑口です。
そのすぐ脇に、先ほど分岐した旧道が合流しています。





しかし、旧道は数十メートルほど現道と並走すると、また右側に別れていきます。






現道は、若干堀割のようなところを進んでいきます。
旧道は、堀割の右側を迂回しています。







※この画像はマウスを乗せると切り替わります(少々時間がかかる場合があります)。


数十メートル先で、再び右側から旧道が合流してくると、今度こそ旧道区間は終了となります。





次のページでは、旧道を探索します。


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